「美人やスタイル抜群の女性は実は全く期待できない」とオーナーもため息…メンズエステの世界で、華やかな彼女たちが歓迎されない「意外な理由」

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『メンズエステ嬢の居場所はこの社会にありますか?』(KADOKAWA)は、実際にメンズエステ嬢として働いていた鶴屋なこみんさんが、自身の体験を元に、男性客との駆け引きやトラブル、同僚たちとの交友をリアルに描いたコミックエッセイだ。

メンズエステとは、女性施術師が個室でオイルを使って男性客の体をさすったり、リンパを流したりするサービスのことだ。性風俗とは異なるものの、禁止されているはずのサービスを強要しようと迫ってくる男性客も多く、嬢たちは常に危険と隣り合わせにある。

前の記事『「私たちは安物」「同じ女なのに、何が違うんだろうね」性サービスの強要、商品として消費される悲しみ…「稼げない」メンズエステ嬢の苦悩』よりつづく。

資格や経験、経済的余裕を持たず、生きづらさを抱える女性がたどり着いた夜の世界。時給4000円――「工場でエプロンと長靴で働いているより、生きていけるお金を貰える」が、一方で心は傷つき、大切なものが失われていく。

本稿では、経歴10年というベテラン女性が、主人公・みんが働く店に入ってきた際の意外なエピソードを紹介する。

経歴10年のベテラン嬢

メンズエステの世界では、嬢たちは採用されてもすぐ辞めていってしまうことが日常的だという。

あるとき、主人公・みんが働く店に、経歴10年というスタイル抜群のベテラン嬢が入店してきた。

最初はお客さんがつくが……

よさそうな新人が入ってきたのにも関わらず、オーナーの顔は曇ったままだ。

「お客さんの扱いにも慣れているし、いいのでは?」と怪訝に思うみんだったが、「巨乳の子は写真映えするから集客力はあるけど、指名にはつながりにくい子が多いんだよ」と、オーナーは説明する。

並外れた美人やスタイルの良い女性は、お客さんに媚びなくても、わがままでも、どんな形でも最初はお客さんがつく。そのため、経験が長くても技術がなかったり、お客さんを喜ばせる術を持たない子が多いという。

だが、新人の頃はよくても徐々にお客さんにその実態がバレてきて、次第に指名がなくなっていくというのだ。

なかにはワガママ放題の嬢も

今までオーナーが採用してきた女性のなかには、待機中に大騒ぎしたり、帰りのタクシー代を要求する嬢もいたという。

結局、新たに入ってきたベテラン女性も、短期間しか在籍せずにあっという間に去っていった。

みんは女性たちが店を辞めていくたびに、複雑な感情を抱くのだった。

恋人や彼氏がいる嬢も

表向きは性的なサービスを要求されないこともあって、メンズエステの世界に飛び込む女性は多い。当時、ともに働いていた嬢たちのことを、作者のなこみんさんはこう振り返る。

「嬢は年齢も性格も見た目も、さまざまです。恋人や彼氏がいる女性も普通に働いていましたね。待機部屋のあるお店に体験入店したときは、嬢が数人集まって彼氏からもらったプレゼントの話で盛り上がっていたこともあります。ただ、突然飛んじゃう嬢も少なくなかったので、深く交流するのは難しかったように思います。

妊娠していることを隠して入店してきた嬢もいました。数ヶ月もするとお腹が大きくなってきて、さすがにオーナーも気づいて辞めさせていました。

一番人気の嬢は出勤表を出した瞬間に、予約がすべて埋まると一度オーナーに聞いたことがあります。『あの子の本指名客は、ずっと店のサイトをチェックしてるんだよ』と笑っていました

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後編『「エステはもういいからコレやって」言葉巧みにサービスを強要する客も…20歳の新人女子大生がメンズエステで直面した「厳しい現実」』につづく

「エステはもういいからコレやって」言葉巧みにサービスを強要する客も…20歳の新人女子大生がメンズエステで直面した「厳しい現実」