「メキメキと壁にひびが」道路が大規模陥没…周囲の建物傾き倒壊の恐れで19世帯44人避難 地下30メートルの下水道工事原因か 広島市

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26日午前9時前、広島市西区の市道で「道路が陥没している」と通報があった。陥没は長さ約40メートル・幅15メートルに及び、その影響で周辺の建物が傾いた。
午後1時の時点で、19世帯44人が避難している。

白い外壁に大きな亀裂…道路はアスファルトが隆起

建物の白い外壁に入る大きな亀裂、大きなひびが至る所に入り、今にも崩れそうだ。
窓枠もゆがみ、極めて危険な状況と言わざるを得ない。
さらに付近の道路は、アスファルトが隆起した状態であることが分かる。

26日午前9時前、広島市西区の市道で「道路が陥没している」と通報があった。

陥没は、長さ約40メートル・幅15メートルに及び、その影響で周辺の建物が傾いた。

周辺では、傾いた建物が倒壊する恐れがあることから、警察が避難を呼びかけた一方、一時、人が閉じ込められる事態も発生した。

道路の陥没に伴い、周辺の建物が傾くという緊急事態。
そのとき何が起きたのか、通報した女性は「最初はもう交差点が、コンクリートが盛り上がって危ない、車が腹をこするとかいう感じで、すぐ通報した。その間にも全部コンクリートが膨らんできて」と話した。

地面の隆起に続き、みるみるうちに水があふれ出したという。

そして、聞こえてきたのが建物がきしむ音だった。

通報した女性は「うちの工場もちょっとメキメキとか、壁にひびが入ったりとかして、もう即避難してくださいということで」と話した。

広島市によると、傾きや壁のひび割れは、少なくとも8棟の建物に及んでいるという。

実際に傾いた建物内にいた人が撮影した写真では、道路のアスファルトが波打つように隆起している。

当時、ミシミシという音とともに建物が傾き、中にはドアが開かなくなった部屋もあったことから、バールでこじ開けたという。

外に出ると道路が川のように冠水していた。また、道路が隆起した影響で、車3台が事故を起こした。

周辺住民の避難はその後も続いていて、市は近くの小学校を避難先に設定し、午後1時の時点で19世帯44人が避難している。

避難住民:
びっくりします。別に雨降ったわけでもないしね。

地下30メートルでシールドマシン使った掘削工事

広島市水道局によると、付近の地下30メートル地点で行われていた下水道工事の影響で陥没した可能性が極めて高いという。当時行われていたのは、シールドマシンを使っての掘削工事だった。

広島市の担当者:
水が非常に出てきたということが確認されました。それとほぼ同時期に地上部分の方で道路が陥没した。

下水道工事が原因とみられる道路の陥没を、専門家は次のように説明する。

地盤システム研究所・近久博志さん:
小さく穴が開いたところからどんどん広がっていくイメージがあったが、今回は一気に(範囲が)広がっているので、規模が大きいなと感じた。ここまで広がっているということは下に大きな空洞があるんじゃないか。沈下の場所が広がらないように早く埋めた方がいい。
(「イット!」9月26日放送より)