泥沼5戦未勝利のソシエダ…久保建英はトップ下で奮闘も”4試合無得点”のチームを救えず「止める手段はファウルしかなかった」

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苦しむソシエダにあって技術を見せつけた久保だが…(C)Getty Images

 レアル・ソシエダの久保建英は現地時間9月21日、敵地でのバリャドリード戦にスタメン出場した。この日、久保は前節までの右ウイングではなく中央にポジションを取り、主に2トップの後ろでのプレー。効果的なパスを供給し、自らもドリブルで切れ込むなど好機を演出した。しかし、この日もチームは得点を奪えず、昇格組であるバリャドリードにスコアレスドローという結果に終わっている。

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 久保はいつもと異なるポジションに起用されたこの試合でも、攻撃を牽引した。10分には相手PA内でパスを受けると、タテへのドリブルを試み味方にラストパスを通した。これは久保の手にボールが振れたことでハンドの判定が下ったものの、得点の予感を感じさせるプレーとなった。

 さらに27分、バリャドリードのコーナーキックからこぼれたボールを追いかけ、自陣サイドライン際で相手と競り合いながら前線のスペースにボールを送った。これにシェラルド・ベッカーが反応、そのままドリブルで持ち上がりゴールに迫った。ここも相手ディフェンスに止められ得点にはならなかったが、久保のプレーから決定的な場面が生まれている。

 後半も久保は前線中央を中心にプレー、81分に交代によりピッチを後にするまで存在感を示していた。

 4戦連続ノーゴール、5戦未勝利と低調な結果が続くチーム状況とは裏腹に、背番号14の動きは現地メディアで高く評価されている。スポーツサイト『MUNDO DEPORTIVO』では、「彼にしては珍しいインサイドでのプレーだった。前線で幅広く動き、ボールを受けながら幾度となくスルーパスを供給していた」と評している。

 さらに現地メディア『as』も、攻撃面での貢献度を絶賛。各選手への個人評価において久保に対しては、「時折、プレーにおいて少し不調なシーンも見られたが、相手は彼を止める手段がファウルしかなかった」と称えている。

 また、同メディアによるゲームレポートの中でも、「この日本人選手は試合に入るまでに時間がかかったが、一度リズムに乗ると正確なパスと、プレッシャーをかわす動きで攻撃を引っ張っていた」などとプレーを振り返っている。

 レアル・ソシエダは、久保の決勝点により初白星を記録した第2節のエスパニョール戦以降、未勝利が続く。無得点が4試合続く苦しい状況から抜け出せない中、シーズン序盤の段階で再び、久保のパフォーマンスを結果に結びつけることができるだろうか。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]