Image: Florence Ion / Gizmodo US

7月10日にグローバル発売されたSamsung(サムスン)初のスマートリングGalaxy Ring。発売前の噂から、サムスン自身もかなり期待しているようです。

現段階では日本での発売はまだ発表になっていませんが、ヘルス系トラッキングの注目度が高まるなか、スマートリングが気になる人は多いはず。

発売から約2カ月間、Galaxy Ringを使ってきた米Gizmodo編集部は、今、どう感じているのでしょう。以下、2カ月レビューです。

使い続けて数カ月。400ドル(約5万7000円)のGalaxy Ringに対する気持ちは日々変化しています。

発売後すぐ、7月末の夏休み旅行で装着していたときはなんか好きになれませんでした。せっかくの夏休みなので、自分のヘルストラッキング情報なんて見なかったのがその主な理由かもしれません。

見ないなら指輪が邪魔だなって思ってケースにしまい、常用しているOnePlus Watch 2R(スマートウォッチ)を使っていました。

夏休みから帰ってきたら、OnePlus Watch 2Rが手首にずっしりしてダルい。というか、夏休みが楽しすぎて現実に戻るのがツラい。そのツラいなかで、手首にガンガンくる通知がダルい。

夏休みバテと時差ボケで、何もかも嫌になってスマートウォッチを外してGalaxy Ringを装着。これが大正解でした! Galaxy Ringと一緒に生活するうちに、夏バテから現実に体も心もうまく戻ってくることができました。以来、一度も外していません。

Galaxy Ring初代モデルとして、サムスンは非常にいい仕事をしたと思います。日々の生活、特にワークアウトの記録という点では、スマートウォッチの存在を忘れてしまうほど。だって、知りたいこと・気になることはすべてGalaxy Ringで事足りますから。毎日の歩数、ストレス時の心拍数、睡眠状況、全部教えてくれます。

もちろん、水泳やPelotonでワークアウト時の心拍数など、特定タスクでスマートウォッチが必要になるシーンもあります。が、日常のヘルストラッキングという点では、少なくとも私はGalaxy Ringで十分です。

感覚としてはアクセサリー

使用したのはブラックのGalaxy Ring、左の人差し指につけていました。手洗いやお皿洗いは装着したまま。顔を洗うのも、娘の顔を洗ってやるのも装着したまま。軍手をしてブランコの設置・移動の手伝いもしましたが、装着したまま。外すのは1日2回が日課になっているシャワーのときだけ。

ただ、このときは身につけているすべてのアクセサリーを外すので、つまり、スマートリングも普通のアクセサリーと同じ扱いだったということ。Galaxy Ringだから外さなきゃというシーンはありませんでした。

私のレビュー端末はブラックでしたが、他にゴールドとシルバーもあります。アクセサリーと合わせやすいのは、やっぱりゴールドとシルバーだと思います。黒はガジェット感が他より強め。私は、大きめのストーンリングと重ね付けしていました。

使用して2カ月、指輪の手のひら側、トラッキング系のあれこれがある側だと思うのですが、ちょいちょい傷がついてます。こっち側は当たることが多いので、使っていればある程度の劣化はしょうがないのかな。ただ、一目でわかるような大きな傷はありません。

サイズ選びはなかなか面倒でしたが、あれは必須。サイズ9を使っていますが、しっかり試しただけあってピッタリ。ニューヨークの暑すぎる夏を指輪とともに過ごしましたが、指に食い込んでキツイなんてことはありませんでした。通常の指輪同様、外そうと思えば外せるサイズ感。

Image: Florence Ion / Gizmodo US

Galaxy Ringの充電ケースは個性的。最初に見たときはチープな印象も受けましたが、使っているとこのシースルーがかわいい。メイクコンパクトみたいです。小さいので持ち運びが楽。ネイルサロンなど指輪を外さないといけないときは、ケースを持っていっていました。ケースにはLEDインジゲーターがあり、バッテリー残量がわかります。

指輪でヘルストラッキングする弱点

ヘルストラッキングしようと思ったら、間違いなくこれ(スマートリング)が一番楽。やってる感なくできます。

ただ、ヘルストラッキングによるワークアウトガチ勢、たとえばフルマラソン出場予定とか登山が趣味とかだと、スマートウォッチじゃないと機能や対応モードが足りません。つまり、ヘルストラッキング初心者、ライト・カジュアル層ならぴったりだということ。

日中は万歩計として、歩数や階段の登り降り、坂の多いエリアならその高低差もチェック。夜は睡眠とSpO2値と体温の変化をチェック。イビキ検出や夜間トイレの回数も記録してくれます。朝になると、1日のスタートとして昨夜きちんと体が休めていたかを教えてくれます。

まぁ、教えてくれるのはGalaxy RingじゃなくてサムスンのHealthアプリですけどね。指輪が収集したデータから、私の日常をいろいろチェックして教えてくれます。Galaxy Ringを使うようになって、Galaxy Watch 4・Galaxy Watch 6を使っていたときよりも、このHealthアプリをよく活用するようになりました。その理由は、指輪ゆえにずっとつけているからでしょうね。

アプリをよくチェックするようになったことで、思っていたよりも日々歩いていること、飲酒した翌日はよく眠れておらず運動能力に直に影響がでることがよくわかりました。

Image: Florence Ion / Gizmodo US

サムスンのHealthアプリとStravaで歩いた距離に差が出ました。両アプリが同じ指輪のデータにアクセスしているはずなんですけどね。この差はなんなんでしょう。

Galaxy Ringは、水泳など一部の運動には対応したモードがありません。ゆえに、水泳時の心拍数や泳いだ距離のデータは取得できません。ウォーキング、サイクリング、ハイキング程度ならまったく問題なし。

数値が不正確という点でいうと、睡眠時のSpO2値がいまいち。たとえば、昨晩の私のデータだと85%から89%。これ、病院に行くことをおすすめされる数値なのですが、どうも怪しい。スマートウォッチだと手首の面で測定するため、寝ている状態でも血の巡りにそんなに影響が出ませんが、指輪だと…ってことらしいです。

となると、運動を重視する人、より正確な数字が欲しい人はやっぱりスマートウォッチのほうがいいでしょう。

腕時計ではなく指輪ということでイライラする最大のデメリットは、スマホを置いていけないということ。ランニングとかちょっとしたワークアウトなら、音楽も含めスマートウォッチならそれだけでいいのですが、スマートリングだと基本的にスマホとセット。置いていってもいいけど、そうすると音楽が聴けません。自分の数値などを確認するのはスマホ画面なので、確認も帰宅するまでできません。どうせスマホは手元にあるし、起きてすぐスマホ見るしという人は気にならないかもしれませんけど。

さらなるアプリの進化を望む

Galaxy Ringにはディスプレイがないため、前述の通り数値の確認・設定は、すべてスマホのSamsung Healthアプリから行ないます。

私は、2019年にGalaxy Fitを使い始めてからずっとこのアプリのお世話になっており、初期と比べると随分進化したと思います。Google FitやAndroidのHealth Connectとも連動できるので、サードパーティ端末ともデータを共有できます。

が、長く使っているだけにこのアプリには優しさが足りないと思います。データ収集の不十分さからくる優しさ不足。たとえば、よく眠れていないと飲酒や夜間のオヤツが原因だと決めつけられてしまいますが、もしかしたら体調が悪かったかもしれないわけで…。

実際、レビュー期間中、睡眠の質が悪かったよという通知が何度かありましたが、2度目の時は深酒と夜中の間食を疑われました。ツラ。あのとき、メンタル的にいろいろあって眠れなかったんだけどな。

お酒のみすぎたでしょ?って決めつけられちゃった時のスクショ。ツラ。
Image: Florence Ion / Gizmodo US

もうちょっとこう、今日の体調どう?とか寄り添ったうえで、日々の提案をしてくれたらなって思います。これ、ヘルストラッキング&ライフスタイルを健康に促すという全体の品質に関わってくると思うんですけどね。

Samsung Healthは自分が元気なときはいいんです。3週間連続で毎日いっぱい歩いてワークアウトもしていたときは、日々ポジティブなメッセージで応援してくれてやる気がさらに出ました。そのライフスタイルだと健康でウツ予防にもなるよ、がんばれー!って。

だからこそ、もうちょっとメンタル面のケアというか、メンタル面の不調や流れも入力できればなと。メンタル不調を入力できれば、眠れない理由も察してくれただろうに。

アプリの進化を望みつつ、素晴らしいのは無料だということ。Oura Ringとは異なり、サブスクプランを契約せずとも、(Galaxy Ring購入代以外は)無課金のままでヘルストラッキングができます。もちろん、どこかで有料化する可能性は常にありますが。

弱点と言えば弱点なのが、エコシステム。サムスンのGalaxy Ringは、サムスンのスマートフォン・スマートウォッチと一緒に使うことで最大の力を出すことができます。使えるジェスチャーやデータシェアのしやすさなど、サムスンエコシステム内にいる人のほうが圧倒的に使い勝手がいいでしょう。

総評:受け身でできるヘルストラッキング

Image: Florence Ion / Gizmodo US

サムスンのGalaxy Ringは、スマートリング市場では高価格帯にあります。ただ、その分いろいろなサービスとデータを連携しやすいという使い勝手のよさがあります。SpO2値に不安がありますが、ここは今後のアップデートで修正されることを願います。

歩数や睡眠パターンなど、基本情報を意識することなく楽にトラッキングできるので、ライト層には最適。サムスンユーザーでサムスンのエコシステムをすでに使っている人ならなおさら最高です。ただし、ワークアウトガチ勢と正確なデータ必須勢はスマートウォッチがよし。

いいところ:日々の歩数把握が楽ちん。バッテリーもち約1週間。サブスクが必須ではない。

残念なところ:運動によってはトラッキングできない。SpO2値(酸素飽和度)が不正確。サムスン端末と連携しないと使えない機能がある。

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