シャープの「プラズマクラスター」といえば、空気清浄機などに搭載されているイメージがありますが、じつは美容との相性も良い技術です。2023年は「Plasmacluster Beauty」(プラズマクラスター ビューティ)という新ブランドも登場しました。そんなビューティブランドから、今年はプラズマクラスターストレートアイロン「IB-S8000」とプラズマクラスターヘアブラシ「Smoome IB-B1」が登場。いずれも10月24日発売予定で、価格はオープン。市場推定価格はストレートアイロンが28,000円前後、ブラシが11,000円前後です。

プラズマクラスターが髪にうるおいを与えるというシャープの「Plasmacluster Beauty」(プラズマクラスター ビューティ)の新製品2機種をいち早く試してみました

試したのは、プラズマクラスターストレートアイロン「IB-S8000」(写真左)と、プラズマクラスターヘアブラシ「Smoome IB-B1」(写真右)です

風を感じるプラズマクラスターストレートアイロン

注目のストレートアイロンは、見た目は普通のヘアアイロンのよう。ただし、スイッチを入れるとプレート左右にあるスリットから風が吹き出すのが特徴。じつは、この風にプラズマクラスターイオンが含まれているのです。

プラズマクラスター ストレートアイロン「IB-S8000」。カラーはミッドナイトブラックとルミナスホワイトの2色

本体サイズは幅36.2×奥行き49×高さ273mm、重さ約420g。ヘアアイロンとしてはちょっと大きく重めな印象です

プラズマクラスターは「水に包まれたイオン」のこと。髪にプラスマクラスターを吹き付けると、髪にうるおいを補給することが可能です。一方、ストレートアイロンは「高温のプレートで髪を挟んでスタイリングする」という特性上、髪が熱による乾燥ダメージを受けやすいというデメリットがあります。そこで、新プラズマクラスター ストレートアイロンは、熱で乾燥しやすくなった髪にプラズマクラスターで保湿し、ヘアアイロン特有の乾燥ダメージを軽減してくれます。

スリットからは、ドライヤーの「弱」レベルのしっかりした風を感じます。この風にプラズマクラスターが含まれています



【動画】プレートには、滑りのよいダイヤモンドコーティングプレートを採用し、摩擦ダメージも軽減できます。動画のプレート素材は、手前からダイヤモンドコーティング(新製品に使用)、セラミックコーティング(従来製品IB-LS7と同等のもの)、フッ素コーティング、セラミックコーティング。ダイヤモンドコーティングが一番滑りが良いのが分かります

送風機能はスタイリングにも大きなメリットがあります。髪は熱を加えることで形を作りやすくなり、冷やすことでその形を固定します。このため、新プラズマクラスター ストレートアイロンは、加熱した髪に風を当てて温度を素早く下げることでスピーディなスタイリングできるのです。そのうえ、髪の形状を素早く固定することで低温でもしっかりスタイリングが可能に。シャープによると、プレート温度が120℃でも、従来の160℃のプレートと同等のスタイリング力があるそうです。

サーモ画像を見ると、風が当たる部分が素早く冷えているのが分かります

120℃という低温でスタイリングしたにもかかわらず、髪はツヤツヤストレートに!

コンパクトで持ち運びにも便利なプラズマクラスターブラシ

もうひとつの注目製品が、プラズマクラスターヘアブラシ「Smoome IB-B1」(以下、Smoome)。手のひらサイズのコンパクトなカバー付きブラシで、ブラシの中央からプラズマクラスターを放出することで、髪の静電気を抑制しながらブラッシングができます。

プラズマクラスターヘアブラシ「Smoome IB-B1」。カラーはブラック系、ホワイト系、ブルー系の3色。いずれも大理石のような独特の模様があります

本体サイズは幅80×奥行80×高さ42mm、重さ約110g(電池除く)。使用時はフタ部分を本体背面にかぶせて使います

Smoomeの魅力は、なんといっても静電気の抑制効果にあります。通常、髪をブラシでとかすと髪はプラスに、ブラシはマイナスに帯電して静電気が起きます。ところが、プラズマクラスターは髪のプラス電気にマイナス、ブラシのマイナス電気にプラスを加えることで静電気を抑えられるのです。静電気は髪が広がったり、もつれや絡み、枝毛、切れ毛の原因にもなるため、プラズマクラスターを当てながら髪をとかせば髪ダメージを減らすことにもつながります。

ブラシ部分は取り外して水洗いも可能。ブラシ部下に単4形アルカリ乾電池2本をセットするバッテリーケースがあります。バッテリーの間にあるのが、従来の約半分に小型化されたプラズマクラスターユニット

左が通常のブラシでブラッシングした人毛。静電気で全体がフワッと広がっています。右はSmoomeを2回通したもの。Smoomeを近づけるだけで静電気が収まり、髪がスーッと落ち着きました

Smoomeのもうひとつの特徴がブラシのピン形状です。Smoomeには円錐状の太いピンと、先だけが細くなった長短2種類のピンという3つの形状のピンが配置されています。この太さや長さの異なるピンを組み合わせることで、髪のもつれが自然にほどけやすくなり、クシ通りが滑らかになるそうです。

3つの形状のピンは、ラッコの毛づくろいを参考にデザインされたもの。太いピンはラッコの爪を参考に、長短のあるピンはラッコの手のひらのシワを参考にして作られています

実際に使用してみると、たしかに髪がスルスルと通ります。ピンが弾力のある柔らめの素材なので、頭皮マッサージとしても良さそうでした

筆者は、自宅でシャープのプラズマクラスター ドライヤーも利用しているため、もともとプラズマクラスターの美髪効果は実感していました。新製品は、そんなもともとの効果に加えて「ヘアアイロンでスタイリングした髪に風を当てて冷やす機能」や「髪の絡まりをほぐれやすくするブラシ形状」など、プラズマクラスターの美髪効果以外の機能も魅力的。これからヘアケアアイテムをグレードアップさせたいと考えている人に、ぜひチェックしてほしい製品といえます。

倉本春 くらもとはる 生活家電や美容家電、IoTガジェットなど、生活を便利にする製品が大好きな家電ライター。家電などを活用して、いかに生活の質をあげつつ、家事の手間をなくすかを研究するのが現在最大のテーマ。 この著者の記事一覧はこちら