ホンダ「プレリュード」復活で「スペシャルティカー」に熱視線! トヨタ「ソアラ」待望論も!? 一体どんなモデル?
好景気を追い風に大ヒットしたトヨタの高級クーペ
トヨタブランドとして「高級クーペ」がしばらくラインナップされていないこともあり、4種のボディを擁するトヨタ「クラウン」の次なるバリエーションとして「クーペ」を推す声は少なくありません。
そうした声を受けて、ネットでは「トヨタが高級クーペを出すならソアラでしょ」という意見がチラホラ見受けられます。
ホンダが2020年代後半に「プレリュード」を復活させるとあって、日産「シルビア」やトヨタ「セリカ」といった往年のスペシャルティカーの復活が噂されている昨今、同ジャンルで一生を風靡した「ソアラ」の再登場が期待されるのはもっともな話です。
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いったいどのようなクルマだったのでしょうか。
ソアラは直列6気筒およびV型8気筒エンジンを搭載し後輪を駆動するラグジュアリーな2ドアクーペです。
海外の高級GTに対抗すべく開発され、1980年の大阪国際オートショーでコンセプトカー「EX-8」として出展。翌1981年にソアラの名称で初代モデルが登場しました。
直線基調で流麗なスタイリングのボディは、当時としては大柄な5ナンバー枠いっぱいのサイズ。ボディカラーにもこだわり、上質な塗装が採用されました。
ソアラ用に新開発された2.8リッターDOHCを筆頭に、エンジンはすべて直列6気筒を搭載。電子制御AT(ECT)やエンジン制御用のECU(TCCS)、世界初の電子制御式サスペンション(TEMS)など、当時の先端技術がふんだんに投入されているのが特徴です。
インテリアに目を移すと、デジタルメーターやタッチパネル式オートエアコン、ドライブコンピュータと、こちらも当時の最新装備を搭載。
また、たっぷりとしたサイズのシートやソアラのロゴが入る専用シートベルトなど、いま見ても贅の限りが尽くされているのがわかります。
5年間の販売期間で9万台近くを販売するという成功を収めたソアラは、1986年に2代目へとフルモデルチェンジ。
ヒットモデルの後継らしく全体的にキープコンセプト路線となりました。スタイリングは初代の面影を継承しながらも丸みを帯び、いっそう伸びやかで上質なデザインへと進化しました。
エンジンは変わらず全車直列6気筒で、新開発の3リッターターボと2リッターターボ、2リッター自然吸気を設定。4輪ダブルウィッシュボーン式に改められた足回りには、オプションながら世界初の電子制御式エアサスペンションが用意されていました。
スペースビジョンメーターやマルチコントロールパネルといった先端技術の積極的な採用や、独特なデザインのフロントシートなどインテリアは豪華絢爛。バブル経済の後押しもあり、高級車ながら販売台数が30万台を超える大ヒットを記録しました。
3代目以降は海外市場がメインに
1991年にソアラが3代目へとモデルチェンジしたとき、その姿に驚かされたクルマ好きは多かったことでしょう。
というのも、アイデンティティともいえる直線ベースのスマートなスタイリングとは似ても似つかない、ボリューミーで丸みを帯びた新たな装いで登場したからです。
ボディは完全な3ナンバーサイズに拡大され、搭載エンジンには2.5リッター直列6気筒ターボに加え、「セルシオ」用の4リッターV型8気筒を設定。
全般的に上級移行したのは、3代目ソアラがレクサスブランドで海外でも販売されることが既定路線だったため、国際的な競争力を向上するためにいっそうの高級化が図られた結果でした。
翌年に排ガス規制を控えてスポーツカーやクーペに逆風が吹き荒れる2001年、4代目へとモデルチェンジ。電動格納式ハードトップを備えるオープンカーへと転身しました。
これは海外(レクサス)での販売強化を見据えたからと言われており、エンジンは4.3リッターV型8気筒のみに絞られ、トランスミッションはMTを廃止してATのみにするなど、よりラグジュアリーに振ったクルマになりました。
ちなみに、日本においても2005年のマイナーチェンジを機にレクサスブランドへと移行され、「SC430」の名称で販売されるようになりました。
結果として、四半世紀、4世代で幕を閉じたソアラですが、実際のところ復活を望む声はどの程度あるのでしょうか。
ネオクラシック(旧車)を多く扱う中古車販売店のスタッフは、次のように話します。
「ソアラを購入されるお客様は、欲しい年代のモデルを『決め打ち』で買いにいらっしゃる方が多いです。
ほかのクルマはもちろん、ソアラのほかの世代にすらあまり目移りしない傾向があり、もしも新型が登場しても選択に悩まないのかもしれません。
むしろソアラを知らない新たな方が購入を希望される気がします」
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ソアラの元オーナーにも話を聞いてみたところ「復活したらまた乗りたい」という声もありますが、レクサスブランドへと移行した関係もあって「新型は見たいが、今さら戻ることはない」という意見も。
高級クーペには憧れても、シルビアやセリカのような“熱望”という段階までは至っていないようです。