懐かしい「丸目4灯」テールライト採用! 500馬力超えの「新型スポーツカー」初公開! パワフルな「5.5リッターV12」搭載した新型ヴェローチェ12 米で発表!
懐かしい「丸目4灯」テールライト採用!
トゥーリング・スーペルレッジェーラは、アメリカ・カリフォルニア州で開催された「モントレー・カー・ウィーク2024」の「ザ・クエイル、ア・モータースポーツギャザリング」にて、新型スーパースポーツカー「ヴェローチェ12」を世界初公開しました。
この新型ヴェローチェ12とは、一体どのようなクルマなのでしょうか。
トゥーリング・スーペルレッジェーラは、イタリアのミラノに拠点を置く、自動車メーカー向けのデザインエンジニアリング会社です。
【画像】超カッコいい! これが「丸目4灯」の新型スポーツカーです(21枚)
その歴史は古く、1926年にクルマのボディを製造、架装する会社として「カロッツェリア・トゥーリング」の社名で設立されました。
設立したのはフェリーチェ・ビアンキ・アンデルローニ氏で、元テストドライバーでもありながら、自動車メーカー「プジョー」のイタリア代理店も運営していた人物です。
そしてアンデルローニ氏は、カロッツェリア・トゥーリング社を単なるデザイン会社ではなく自動車メーカーにしたいと考えて、特許技術の「スーペル・レッジェーラ方式」を開発。
1950年代の終わりごろにはこの方式によって、「アルファロメオ」、「ランボルギーニ」、「マセラティ」など様々な自動車メーカーのクルマのボディを生産し、一時は大きな成功を収めます。
しかし、多くの自動車メーカーがボディの製造を自社内で行うようになったことから、1966年に活動を停止。
その際、従業員の多くは「カロッツェリア・マラッツィ」という会社に移り、ランボルギーニのボディ製造を担いました。
その後、約40年の間カロッツェリア・トゥーリングの名は表舞台から姿を消していましたが、2006年にカロッツェリア・マラッツィが、国際的な自動車関連企業である「ゼータ・ヨーロッパ・グループ」にトゥーリング・スーペルレッジェーラのブランド使用権を譲渡したことにより、状況が一変。
トゥーリング・スーペルレッジェーラのブランドが表舞台に復活し、現在ではミラノを拠点にして自動車デザインと試作車の開発を行っています。
今回取り上げる新型ヴェローチェ12は、そんな経緯を持つトゥーリング・スーペルレッジェーラの、最新モデル。
同車はフェラーリ「550マラネロ」をベース車としており、一度部品単位までバラバラに分解して、再構築したクルマとなっています。
エクステリアは、カーボンファイバー製のボディで、異国風の気品を持ちながら、未来的な雰囲気も感じさせるデザインが特徴。
トラクティブ製のサスペンションシステムにより、どんな道路状況でも正確に揺れを抑えることを可能にし、力強い走りを実現しています。
ホイールはベース車よりも大きくなり、フェラーリらしい星型はそのままに、奥にはイタリアのブレーキにおけるトップブランドであるブレンボ製のブレーキキャリパーを収納。
フロントに収まっているのは380mmローターと6ピストンキャリパー、リアに収まっているのは4ピストンキャリパーです。
インテリアは、550マラネロの雰囲気を残しながら各部の質感が大幅に引き上げられ、上質なレザーとアルミニウムを豊富に採用。
液晶パネルのような最新のデバイスは導入せず、レトロな雰囲気が特徴的です。
また、使用されるアルミニウムパーツの多くは削り出しのデザインで、エアコン吹き出し口やペダル、シフトレバー、カップホルダーなどに見られます。
長距離ドライブを想定したクルマであることから、シートは長距離ドライブ時の快適性とサポート性を考慮して設計された、カスタムシートです。
ヘッドレストにはトゥーリング・スーペルレッジェーラの頭文字である「T」が刺繍されてあり、座席の後方にはヴェローチェ12のシルエットが刺繍されています。
新型ヴェローチェ12のパワートレインは、550マラネロに搭載された5.5リッターV12エンジンを25馬力アップさせたエンジンを搭載。
最高出力503馬力を発揮し、0-100km/h加速は4.4秒、最高速度は320km/hです。
展示されたクルマのボディカラーはシルバーで、内装色は無限のカラーバリエーションから選択可能。
生産開始は2025年初めと予定されており、30台のみの限定生産となります。
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設立から数えると100年近い歴史を誇る、トゥーリング・スーペルレッジェーラ。
活動停止に追い込まれてしまった原因は、伝統的で高水準なクルマ作りにこだわりすぎたためだと言われていますが、40年の潜伏期間を経ながら現代でも高水準のクルマを作り続けている、ブレない姿勢は見事です。
最新モデルのエクステリアは未来的なデザインでありながら、インテリアにレトロ感を残しているところにも同社ならではのこだわりが感じられ、また伝統的な手法も完全には捨てないという意地が垣間見える点も、クルマ好きの心を熱くさせる要素でしょう。