井上尚弥 撮影:SPREAD編集部

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ボクシングのスーパーバンタム級世界主要4団体統一王者の井上尚弥は9月3日、元IBF同級王者でWBO2位のTJ・ドヘニー(アイルランド)との世界タイトル防衛戦に臨む。
米メディア『Sporting News』のトム・グレイ記者は「TJ・ドヘニーはどのようにナオヤ・イノウエに勝つのか?文句なしのタイトルマッチで挑戦者のチャンスを評価する」と題した記事を投稿。ドヘニーの勝機を占った。

■敏腕記者が記した「勝利への道」とは

グレイ記者は米老舗ボクシングメディア『ザ・リング』で10年以上編集長を務めた敏腕記者として知られる。同記者は冒頭で「狼男は銀の弾丸で倒すことができ、吸血鬼は日光と聖十字架の影響を受けやすい。TJ・ドヘニーにとって残念なことに、どちらも『モンスター』ナオヤ・イノウエには効果がない」と、井上には弱点がないことを強調した。
井上はここまでの戦績27勝(24KO)無敗。直近8試合連続でTKO/KO勝ちを収めており、前回5月6日のルイス・ネリ戦では1ラウンドにダウンを喫したものの、6ラウンド1分22秒で圧倒的なTKO勝ちを収めている。
そんな無敗の王者については「31歳のイノウエは、おそらくボクシング界で最も恐ろしいファイターだ」「容赦ないパンチの持ち主にも関わらず、イノウエはボクシング界で最も技術的に優れたファイターの一人でもある。チャンピオンは優れたハンド・スピードと完璧なバランスを持ち、そのスキルは非の打ち所がない」と絶賛。その上で、「ドヘニーはどのように下馬評を覆すのか」を説いた。
ドヘニーは現在WBA6位、WBC7位、IBF7位、WBO2位にランクされる37歳のサウスポー。同記者は「4階級を駆け抜けたイノウエよりも、パワーの面で有利なはずだ」としたほか、日本で岩佐亮佑を破ってIBF王者になるなど「日本での戦闘経験が豊富」な面も有利とした。しかし、「アドバンテージには限界がある」とし、6歳の年齢差などを指摘。
「現実的に考えれば、ドヘニーにはパンチを打つチャンスしかないので、それが彼の勝利への道だ」と残酷に言い切ると、「『ザ・パワー』として知られる挑戦者は、『ザ・モンスター』を完璧な左パンチで誘い出し、KOしなければならない。また、試合が長引くほどドヘニーが受けるダメージが大きくなり崩壊し始めるため、早めにKOしなければならない」と、ドヘニーが勝つには早期決着しかないとした。
ネリ戦では至近距離からカウンターのフックを浴びて衝撃的なダウンを喫した井上。ダウン後も冷静に対処し完勝を収めた様子から、もしダウンを奪うことができたとしても、そこからKOするのは至難の業だろう。