「ハイオクとレギュラー」は何が違う? ハイオクが「高い」のはなぜ? “ハイオク指定車”にレギュラーを入れたらどうなる?
なぜハイオクの方が高い?レギュラーとの違いは?
近年セルフ式のガソリンスタンドが主流となり、自分で給油する機会が増えました。
給油の際、同じガソリンでもハイオクとレギュラーの違いについて疑問を持つ人も多いでしょう。一体、何が違うのでしょうか。
ガソリンはレギュラーとハイオクに分けられ、レギュラーの方が燃えやすいとされています。
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これにはオクタン価が関係してきます。
オクタン価とは、エンジン内で異常燃焼により打撃的な振動を意味するノッキングの起こりにくさを示す値で、高いほどノッキングが起こりにくくなります。
日本産業規格(JIS)では、オクタン価が89以上をレギュラー、96以上をハイオクと定めています。
国内で販売されるガソリンのオクタン価は、レギュラーで約90、ハイオクで約98から100です。
高オクタンのハイオクは燃えにくいため、エンジンの高圧縮化(ガソリンと空気の混合気を高い圧によって高温にすること)によってエネルギー効率の向上を助けます。
しかし高圧縮によってノッキングのリスクが高まることから、ノッキングの起こりにくい高オクタンガソリン(ハイオク)が必要です。
このため、高性能・高出力が求められるスポーツカーや高級車ではハイオク指定が多くなります。
また、ハイオクにはオクタン価を上げるためにレギュラーよりも多くの添加剤が使用されています。
これにより燃焼時に燃料やオイルの燃えカスが発生しやすいため、洗浄剤も添加されています。
そのため製造工程が増え手間がかかることから、ハイオクはレギュラーよりも割高になります。
一方、欧州ではオクタン価が異なっており、95のガソリンが主流です。欧州車はその仕様に合わせているため、日本では欧州車がハイオク指定となることが多いのです。
では、ハイオク指定車にレギュラーガソリンを入れるとどうなるのでしょうか。
現代の国産車であればノッキングが起こりそうになるとセンサーが反応し、ECU(エンジン制御コンピュータ)が出力を制御。
燃料噴射や点火時期を調整し、発熱量を減らすことでノッキングを防ぎます。
つまり普通に走ることは可能ですが、本来のエンジン性能を発揮できず、燃焼効率が低下し燃費も悪くなります。
また、一部のハイオク指定の直噴エンジンや高性能エンジンでは、レギュラーを入れることで燃料噴射装置などの故障を招くため、レギュラーNGとなっていることもあります。
そのため安易にレギュラーの方が安いからといって、ハイオク指定車に給油するのは推奨されていません。
ハイオクとレギュラーの違いを理解し、適切な燃料を選ぶようにしましょう。
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なお、多くのハイオク指定車では災害などでハイオクが手に入らない場合、一時的にレギュラーを使用してもよいとされています。
こうした緊急事態に備えるためにも、一度クルマの取扱説明書を読んでおくと良いでしょう。