那須川天心「アンチをパンチで黙らせた(笑)」 圧勝TKOから一夜明け、世界王座獲りにも言及「みんなもう無視できない」
那須川天心が会見
ボクシングのWBA世界バンタム級7位・那須川天心(帝拳)が21日、デビュー4連勝から一夜明け、都内の所属ジムで会見した。前夜は東京・両国国技館で120ポンド(約54.43キロ)契約10回戦に臨み、同級4位ジョナサン・ロドリゲス(米国)に3回1分49秒TKO勝ち。進化を見せつけた圧勝劇を振り返り、今後を見据えた。
傷のない綺麗な顔で会見した。帝拳ジムの浜田剛史代表、元世界2階級制覇王者・粟生隆寛トレーナーも同席。那須川は「試合後はメシ食って、普通に寝ました。映像を見ましたし、KOっていいですね。今の時代は長い動画を見ない人が多い。KOだと見やすいし、いろんな人から連絡も来た。人ってこういうところを見ているんだなって本質が見えた」と笑い、こう続けた。
「周りがKOできないと言っていたけど、アンチをパンチで黙らせた。韻を踏んでいます(笑)。ずっと練習していたパンチ。全部の動きをやっていた。練習は嘘をつかないなと。パンチの質、動き方、精神状態。全て半年でレベルアップした。日常生活、人としても成長できたんじゃないかなと。すぐに強くなるのは難しいので、一歩一歩できなかったことをやり続けてきた。壁に対して後回しにせず、そこだけをやってきた。それは自信になる」
前夜は2回終了間際、狙いすました左ストレートでよろめかせ、ラッシュを見舞った。ゴングに逃げられたが、3回も左ストレートを着弾。連打でたたみかけ、最後にガードの上から左ストレートを突き刺し、TKO勝ちを飾った。
現在の世界バンタム級王座はWBAに井上拓真、WBCに中谷潤人、IBFに西田凌佑、WBOに武居由樹が就き、日本人が独占している。バンタム級で世界王座戴冠を見据える那須川の世界ランクはWBA7位、WBC12位、WBO10位。東洋太平洋は3位、WBOアジアパシフィックは1位につけ、まずは地域タイトルを挑戦が期待される。
「周りが期待するのもわかるけど、一歩一歩やってきたので着実に。過信しないように上がっていく。誰も思わないところまで強くなる。その片鱗を見せられたと思う。(4人の世界王者を目指すことは)競技者として変わらず。今まではそれを言うのもどうかと思っていたけど、自信も出てきたし、そこにフォーカスしていく。来年は面白くなるんじゃないですか。ボクシング、格闘技が盛り上がる。全てに期待してもらって構わない。どの王者も僕のことが眼中になかったと思うけど、みんなもう無視できないと思う」
栗原慶太が東洋太平洋王座を持つ。那須川は地域タイトルについて「日本人とやるのは盛り上がる。面白いカードって片方だけ目立っても熱は生まれない。両方知っているからこそのものがある。そこももうそろそろやっていきたいし、何が来ても大丈夫なように準備したい」とコメント。しばらく休養を挟み「次は紅葉を楽しめる季節にお会いできれば」と冗談を飛ばした。
(THE ANSWER編集部)