eスポーツの世界大会としては史上最大規模となる「Esports World Cup」が2024年7月4日から8月25日まで、サウジアラビアの首都・リヤドで開催されます。21種類のタイトルで22のトーナメントが行われ、賞金総額はeスポーツイベントでも市場最大の6000万ドル(約96億円)超えとなっています。

Esports World Cup

https://esportsworldcup.com/en

サウジアラビア政府は2023年10月に、サウジアラビアeスポーツ連盟が開催していたイベント「Gamers8」の後継として、Esports World Cupを開催することを発表しました。Esports World Cupの競技タイトルと開催日は以下の通り。

タイトル試合開催日(現地時間)Apex Legends7月31日〜8月4日コール オブ デューティ モダン ウォーフェア38月15日〜18日コール オブ デューティ ウォーゾーン7月3日〜6日Counter-Strike 27月17日〜21日Dota 27月4日〜7日、7月10日〜14日、7月16日〜21日EA SPORTS FC 248月15日〜18日フォートナイト8月8日〜11日Garena Free Fire7月10日〜14日オナー・オブ・キングス7月29日〜8月4日モバイル·レジェンド: Bang Bang(男子)7月3日〜7日、7月10日〜14日(女子)7月24日〜28日League of Legends7月4日〜7日オーバーウォッチ27月24日〜28日PUBG: Battlegrounds7月21日〜25日レインボーシックスシージ7月31日〜8月4日RENNSPORT8月22日〜25日ロケットリーグ8月22日〜25日スタークラフト28月14日〜18日ストリートファイター68月8日〜11日鉄拳88月22日〜25日チームファイト タクティクス8月8日〜11日

Esports World Cupには日本人の選手が多数参加しています。Apex Legends部門では、FNATICやRIDDLE、FENNEL、NORTHEPTIONなどのチームが参加。また、ストリートファイター6部門は翔選手やりゅうきち選手、ときど選手、カワノ選手、立川選手など、10人以上が参加予定。鉄拳8部門では、チクリン選手、ノビ選手、ケイスケ選手が出場権を獲得しています。



Esports World Cupの賞金はeスポーツ史上最大となる総額6000万ドル以上。賞金は上位16チームあるいは上位16名に支払われ、優勝した場合は700万ドル(約11億2500万円)を獲得します。さらに、各イベントのMVPには5万ドル(約800万円)が支払われるとのこと。

Esports World Cupは、サウジアラビア王国のムハンマド・ビン・サルマン皇太子兼首相が打ち立てた政府開発プログラム「Saudi Vision 2030」として企画されたもので、サルマン皇太子主導の下で石油依存からの脱却と国の経済の多様化を目指すという目的が設定されています。



サルマン皇太子はゲームをサウジアラビアの主要な産業にするべく、すでにおよそ250社のゲーム会社を誘致しており、かつて「餓狼伝説」「キングオブファイターズ」などのゲームを開発したSNKの株式を96%以上所有していることも話題となりました。

「餓狼伝説」「龍虎の拳」を開発したSNKの株式の96%以上をサウジアラビア皇太子財団が所有していることが判明 - GIGAZINE



Esports World Cupの運営団体であるEsports World Cup財団にはサウジアラビアの公共投資基金が投入されており、サウジアラビアのリヤドに建設が計画されている娯楽都市計画「キディヤ」のeスポーツ地区構想を支援する5年契約を締結済み。すでに収容人数2万人規模で、eスポーツイベントを開催できるような屋内アリーナがキディヤに建設されているそうです。

一方で、経済紙のBloombergは、「サウジアラビアではLGBTQや女性の権利が迫害されている」として、そういった国がeスポーツにおいて中心的な地位に就くことに批判的な意見が挙がっていると指摘しています。サウジアラビア側もこうした批判を受け止めているようで、eスポーツチームのTeam LiquidはLGBTQ支持を表明する目的で、レインボーフラッグ柄のジャージの着用を運営側に相談したところ、サウジアラビア当局から着用の許可が下りたことを明らかにしています。