大阪・夏の風物詩『船乗り込み』で道頓堀に2000名の観衆が集結ーー片岡仁左衛門、明日からの『七月大歌舞伎』を「大成功に収めたい」

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7月3日(水)~26日(金)の期間、大阪松竹座にて『関西・歌舞伎を愛する会 結成四十五周年記念 七月大歌舞伎』が上演される。

片岡仁左衛門をはじめ、襲名披露となる初代中村萬壽、六代目中村時蔵、初舞台の中村梅枝、そして中村歌六、中村鴈治郎、中村扇雀、坂東彌十郎、片岡孝太郎、尾上菊之助ら東西の豪華な人気俳優が揃い、華やかで賑々しくなる同公演。公演初日を前にする6月29日(土)に道頓堀にて、出演俳優による伝統行事『船乗り込み』を行った。公式レポートが到着したので紹介する。

本日、公演初日を前に江戸時代より続く伝統行事で、今は大阪・夏の風物詩として親しまれている『船乗り込み』を開催した。本年は、俳優と応募者らおよそ150名が乗船した船が本町橋を出発し、小気味良いお囃子とともに、川を巡った。道頓堀の川岸には、約2000名の観衆が集まり、道頓堀までの2.5kmの巡航では川岸より「松嶋屋!」 「萬屋!」などと大向うが飛び交い、戎橋では、紙吹雪などと共に、盛大な拍手で迎えられた。

(c)松竹

大阪松竹座劇場前での式典では、俳優たちが挨拶を述べた。

中村萬壽は「43年間名乗りました時蔵という名前を息子に譲りまして、初代中村萬壽となりました。6月の歌舞伎座に続き、7月の大阪松竹座にてご披露させていただきます。本日お集まりいただきました皆様方の期待を裏切らないように千穐楽まで精一杯勤めますのでどうぞよろしくお願いいたします」 。続いて中村時蔵は「5年ぶりの大阪松竹座になりますが、まさか 5年前は名前を変えて再び松竹座の舞台に立てるとは思っておりませんでした。私は昼の部の「俄獅子」 、夜の部の「八重桐廓噺 嫗山姥」に出させていただきますが、特に『嫗山姥』は私の家にとって、とても由縁のある狂言です。是非皆様にお越し頂けるとありがたく思います」 。続いて中村梅枝は、 「大阪松竹座は初めてなので楽しみです。「恋女房染分手綱 重の井」で三吉を勤めます。どうぞよろしくお願いします」とそれぞれご当地での襲名披露への思いを語った。

(c)松竹

また、片岡仁左衛門が、「今年もまた夏に大阪松竹座の舞台に立てることを大変嬉しく思っております。今回はなんといっても萬屋さん三代の襲名披露となりますので、大成功に収めたいと思っております。そして今回、梅枝さん、種太郎さん、秀乃介さんという小さな子供たちがこの夏の芝居に出てくれることを大変嬉しく思います。是非彼らのことを応援いただきたきたいと思います。私も一所懸命頑張りますのでどうぞよろしくお願いいたします」と『七月大歌舞伎』への意気込みを語る。

最後に、仁左衛門の発声のもと大阪締めにて公演の成功を祈念すると、観客から大きな拍手が送られた。

『関西・歌舞伎を愛する会 結成四十五周年記念 七月大歌舞伎』は7月3日(水)より26日(金)まで上演。チケットは一部イープラスにて販売中。