部屋をノックすると「警察か?」との反応が…埼玉県蕨市にある「ヤクザアパート」…近隣住民からの「最悪の評判」

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「あんたやってんの? (警察から)連絡が来たよ。やってるんだったらやってるで、すぐ逃げな」

5月29日、警察が捜査中の人物の逃走を手伝ったとして逮捕された、埼玉県蕨市の不動産業者・稲垣美惠子容疑者(77歳)。

4月中旬に約15.2キロ(末端価格約9億4500万円)の覚醒剤を密輸したとして男女6名が逮捕されたが、うち4名が稲垣容疑者の所有するアパートに入居していた。同容疑者は暴力団関係者などを次から次へと「無審査」で入居させていたため、近隣住民から「ヤクザアパート」と恐れられていたのは『埼玉・蕨の「ヤクザアパート」の大家が逮捕…近隣住民が明かす「ヤバすぎる実態」と長女が語った「母の過去」』の通りだ。

しかし、稲垣容疑者が大家をする事件現場以外のアパート住民は「ヤクザアパート」の実態を否定している。ところが、近隣住民に話を聞くと、真逆の話が次々と飛び出した――。

前回の記事『逮捕された埼玉県蕨市「ヤクザアパート」を所有する大家の「意外な一面」と住民が話す「健全アパート」の実態』に引き続き、今回はアパートの近隣住民が憤る、稲垣容疑者とアパートの住民の素行について紹介する。

入れ墨の男が捕まっていた

稲垣容疑者が所有するJR蕨駅から徒歩20分ほどの場所にある2階建ての木造アパートは、住民が「ここはヤクザアパートなんかじゃない」と話していた物件だ。しかし、近くに住む人間はそうは思っていないようである。

「あのアパートですか? まず、住民の出入りが激しくて夜もうるさい印象です。特に、2階の角部屋はいわく付きというか、しょっちゅう住む人が変わっていて、今は空いていると思います。前にあの部屋に住んでいた入れ墨の男は警察に捕まっていました。

その住民が逮捕されるとき、アパートの前の狭い道に警察車両がたくさん停まっていて本当に迷惑でしたよ。ここは住宅街で、近くに学校もあって子どもも多いところでしょう。だから私、警察に『ここで逮捕しないでください』とお願いしたんです。そうしたらすぐ近くの公園まで犯人を連れて行って、見えないところで手錠をかけたと聞きました」(近くに土地を持つ70代女性)

この女性は、稲垣容疑者の態度にも憤っていた。

「もう、稲垣さんは非常識にも程があります。そこにある稲垣さんのアパートはもともと、この辺りの地主さんが持っていたものを、銀行筋の紹介だとかで稲垣さんが購入したんですけど、建物を買ってから近隣への挨拶が一切なかった。

あそこに住んでいる一部の人は地域のゴミ当番も守らないし、町会費だって払わない。一度、町会費の件で町会長にクレームを入れたことがあるのですが、稲垣さんは『数ヵ月月分をまとめて払う』と言ったみたい。町会長は領収書まで用意して待っていたのに、結局払われることはなかったそうです。

稲垣さんは、近隣のことを何も考えていない。家賃収入だけ得られれば、こっちのことはどうでもいいと思っているんじゃないでしょうか」

中国人やクルド人も増えているから…

稲垣容疑者の長女曰く、彼女はシングルマザーで子ども3人を連れて夜逃げをした過去を持つ。誰にも手を差し伸べられずに生きてきた自身の経験が、職業に関係なく困っている人々をアパートに住ませたいという思いに繋がっていた可能性は週刊現代が報じた通りだ。

だが、そんな容疑者の思いも近隣住民にとっては迷惑な話なのかもしれない。長年、アパート近くに居を構える女性(60代)も、“稲垣アパート”の治安の悪さを口にする。

「アパートの階段に『空き室のお問い合わせ』というプレートが貼ってあって、大家である稲垣さんと店子希望者が直接交渉できる仕組みになっている。入居審査なんてしていないでしょうね。パッと見で『怖いな……』という印象を抱く住民は本当に多いですから。

見たことがあるのは、和彫りを入れた明らかにカタギじゃない人。後は、外国人もいる。前の大家さんの頃と比べて明らかに治安が悪くなりました。

ここから徒歩圏内の西川口駅には昔からヤクザが多く、最近では中国人やクルド人も増えています。稲垣さんは西川口駅前にある3階建ての駐輪場を持っていて、そこにも『空き室のお問い合わせ』のプレートを張っている。

なので、駅前でトラブルを起こすような人々が稲垣さんのアパートに流れ着くといった話も聞いたことがあります。まあ、近くに住む人間としては極力関わり合いたくない存在ですよ」

部屋をノックすると…住民は開口一番「警察か?」と反応

前回の記事で紹介した、JR西川口駅から徒歩15分の場所にある木造アパート近くに暮らす60代女性も、稲垣容疑者、そしてアパートの住民とも関わり合いたくなかったようだ。

「この付近に住んでいて、稲垣さんを知らない人はいないと思います。よく、家賃を払わない住民に取り立てに行く姿を見ていました。

稲垣さんは見た目こそ年相応のおばあちゃんでやり手な印象は一切ないのだけれど、得体の知れない雰囲気を持っていた。逮捕されたことについて、彼女を知る人は『ああ、そうだろうね』と言うと思いますよ。住んでいる人も怪しいから、私は『とにかく関わらないようにしよう』と決めていました」

取材の最後、前日に不在だったこのアパートの1室を訪ねた。表札に「株式会社」を掲げる部屋をノックすると、東南アジア系の男性が応対したが、開口一番「警察か?」との反応を見せた。

「取材」と伝えると警戒心は和らいだようだが、近隣住民の言う怖さと怪しさは十分に伝わってきた。

住民と近隣住民とで異なる意見。「ヤクザアパート」の実態は想像以上に闇が深い。

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【つづきを読む】「あんた、すぐ逃げな!」77歳の人情おばちゃんがヤクザを逃がして逮捕…その「ヤバすぎる舞台裏」

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