浦和戦で2ゴールを決めた鈴木。勝ち切れずに悔しさを露わにした。(C)SOCCER DIGEST

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 エースの存在感が際立った一戦だった。

 鹿島アントラーズは6月22日、J1第19節で浦和レッズと埼玉スタジアム2002で対戦。鈴木優磨の2得点でリードして試合を折り返したが、途中出場の武田英寿に2点を決められ、2−2で引き分けた。

 前半は今季最高とも言える内容だった。特に、浦和のペア・マティアス・ヘグモ監督が「前半はスズキが支配した。彼の素晴らしいフォワードぶりを見せつけられました」と絶賛したほど、鈴木の働きが光った。開始3分に師岡柊生のシュートのこぼれ球を押し込んで先制弾。42分には安西幸輝のクロスから追加点を挙げた。

 この2得点で今季のゴール数を「10」とした鈴木は、以下のようにコメントした。

「浦和戦も普通の試合と言い聞かせていたけど、すごく特別なゲームだと僕自身は思っている。(これまで)悔しい思いをしてますし、このスタジアムで点を取るのは、どこのスタジアムで点を取るより嬉しい。浦和へのリスペクトもあります。でも、やっぱり勝ちきれなかったのは悔しい」
【動画】鹿島×浦和のハイライト
 前半から攻守に奮闘していた鈴木は、浦和に1点差に詰め寄られた後の88分に足がつってベンチに下がった。そして自身が不在のなかでチームはアディショナルタイムに失点し、同点で試合を終えた。

「自分に一番イラつきました。やっぱり僕が最後までピッチに立つべきだと思います。足とかつらないで、90分走れるようになるのが一番大事かなと個人的には思います」

 次節は中3日で勝点で並ぶ3位ガンバ大阪と対戦する。鈴木は以下のようにチームメイトへの奮起を促した。

「これからまた上位陣との対戦があるので、何人が本当にこの経験をちゃんと活かそうと思うか、もう同じ思いをしたくないと思えるか。俺関係ねえやっていう選手が出てこないように、全員で全員の責任だと受け止めていきたい」

 チーム一丸となって、勝利を掴めるか。

取材・文●渡邊裕樹(サッカーダイジェスト編集部)