2024年6月7日から、アメリカのロサンゼルスでゲームイベントのSummer Game Festが開催されました。同イベントの中で、2024年に最も売れたゲームトップ10のうち、8つは小規模開発者によるインディーゲームであることが明らかになっています。

Forget the AAAs, innovative indie developers were the real stars of Summer Game Fest | Games | The Guardian

https://www.theguardian.com/games/article/2024/jun/12/pushing-buttons-best-of-summer-game-fest



The Best Games at Summer Game Fest 2024 - Bloomberg

https://www.bloomberg.com/news/newsletters/2024-06-14/the-best-games-at-summer-game-fest-2024

Summer Game Fest Showed That The Future Of Gaming Is Indie

https://www.thegamer.com/summer-game-fest-showed-that-the-future-of-gaming-is-indie/

Summer Game Festのプレゼンターを務めたジェフ・キースリー氏が、2024年1月から5月までの6カ月でSteamで最も販売本数が多かったゲームトップ10を発表しました。



2024年上半期のSteamで最も売れた(販売本数)ゲームトップ10は以下の通り。

・パルワールド

・HELLDIVERS 2

・Enshrouded〜霧の王国〜

・MANOR LORD

・Supermarket Simulator

・Hades II

・Dragon's Dogma 2

・Balatro

・Deep Rock Galactic: Survivor

・バックショットルーレット

キースリー氏は、発表の中で「トップ10のうち8つがインディーゲームだった」と述べ、2024年は大手ゲーム開発企業によるAAAタイトルよりも、小規模開発者によるインディーゲームが躍進したと指摘しています。キャスリー氏は10本中8本がインディーゲームであるとしており、Dragon's Dogma 2はカプコンのタイトルであるためインディーゲームではないことは明らかですが、もうひとつの「インディーゲームではないタイトル」がどれを指しているのかは不明です。

海外メディアのThe Guardianは「2024年に最も売れたSteamゲームの10本中8本はインディーゲームあるいはインディーっぽいゲームです」と指摘し、8本がインディーゲームであるという主張に反応しています。ゲームメディアのTheGamerも「ソニー(販売元がPlayStationのHELLDIVERS 2)、カプコン(開発・販売がカプコンのDragon's Dogma 2)、ポケットペア(開発・販売がポケットペアのパルワールド)のゲームのうち、どれが小規模開発者によるタイトルとみなされたのかはわかりませんが、恐らくソニーとカプコンの開発費にはおよばないため、パルワールドがインディーゲームとみなされたのでしょう」と指摘しています。

なお、恐らくインディーゲームとみなされているポケットペアのパルワールドは、モンスターのデザインがポケモンのパクリという指摘を受けながらもリリース直後からユーザー数を伸ばし、発売から3日で累計売上本数400万本を突破し、発売から2週間で総プレイヤー数が1900万人を超えるという大ヒットを記録しています。

「パルワールド」の総プレイヤー数は1900万人突破、Xbox Game Passで700万人以上がプレイするサードパーティー最大のヒット作に - GIGAZINE



The Guardianは、「昨今のゲーム業界での人員削減もあり、Summer Game Fest開催前は憂うつな気分にならないのが大変なほどでした。ゲーム業界の最盛期は過ぎ去ってしまったのではないかとさえ感じていました」と言及。しかし、Summer Game Festで発表された2024年上半期にSteamで最も売れたゲームのラインナップを見て、近年のインディーゲームの躍進を実感することができたとしています。さらに、The Guardianは「大手ゲームメーカーは低迷しています。予算が膨れ上がり、失敗作が相次いでおり、退屈なアプローチに終始しており、『長期にわたるフランチャイズ関連のタイトル』か『何年にもわたってプレイヤーからお金をむしり取るように設計されたタイトル』のいずれかばかりになっています」と述べ、大手ゲームメーカーを批判しています。

TheGamerはインディーゲームの台頭を歓迎しながら、ますますAAAタイトルの開発が持続不可能になりつつあることを指摘。AAAタイトルの中には予算が拡大し、リリーススケジュールが延期されているため、社運をかけたリリースになるものも少なくありません。そのようなタイトルが飛ぶように売れなければ、ゲームスタジオが閉鎖し、数千人のゲーム開発者が職を失うことになります。また、AAAタイトルの中には10数年かけて開発されるものも存在するため、そういったビッグタイトルがリリースされるまでの穴をインディーゲームが埋めることになっているとして、AAAタイトルとインディーゲームの共存関係にもTheGamerは注目しています。

なお、Summer Game Festのプレゼンテーション全編は以下から視聴できます。

Summer Game Fest 2024 Full Presentation - YouTube