日本文学振興会より、第171回芥川龍之介賞の候補作が発表されました。選考委員会は、きたる2024年7月17日(水)都内で開催されます。

◆選考委員(五十音順) 小川洋子・奥泉光・川上弘美・川上未映子・島田雅彦・平野啓一郎・松浦寿輝・山田詠美・吉田修一

◆正賞:時計  副賞:賞金100万円

候補作品(作者名:五十音順)

朝比奈秋(あさひな あき)「サンショウウオの四十九日」新潮五月号


©石渡朋

1981年生まれ。2021年「塩の道」で第7回林芙美子文学賞を受賞。22年、同作を収録した単行本『私の盲端』でデビュー。

〈作品〉「植物少女」2022年小説トリッパー秋季号、単行本は23年朝日新聞出版刊=第36回三島由紀夫賞受賞。「あなたの燃える左手で」23年文藝夏季号、単行本は23年河出書房新社刊=第51回泉鏡花文学賞、第45回野間文芸新人賞受賞。「サンショウウオの四十九日」24年新潮5月号。

尾崎世界観(おざき せかいかん)「転(てん)の声」文學界六月号

1984年生まれ。2001年結成のロックバンド「クリープハイプ」のヴォーカル・ギター。12年、アルバム『死ぬまで一生愛されてると思ってたよ』でメジャーデビュー。16年、初の小説『祐介』を書き下ろしで刊行。

〈作品〉『祐介』2016年文藝春秋刊。『苦汁100%』17年文藝春秋刊。『苦汁200%』18年文藝春秋刊。『犬も食わない』18年新潮社刊(千早茜との共著)。『泣きたくなるほど嬉しい日々に』19年KADOKAWA刊。『身のある話と、歯に詰まるワタシ』20年朝日新聞出版刊(対談集)。「母影」20年新潮12月号=第164回芥川賞候補、単行本は21年新潮社刊。『私語と』22年河出書房新社刊(歌詞集)。「転の声」24年文學界6月号。

坂崎かおる(さかさき かおる)「海岸通り」文學界二月号

1984年生まれ。2020年に「リモート」で第1回かぐやSFコンテスト審査員特別賞を受賞。22年に「嘘つき姫」で第4回百合文芸小説大賞、「あたう」で第28回三田文学新人賞佳作。

〈作品〉「ベルを鳴らして」23年小説現代7月号=第77回日本推理作家協会賞短編部門受賞。「封印」(『乗物綺談 異形コレクションLVI』〈23年光文社文庫刊〉所収)。『嘘つき姫』24年河出書房新社刊。「海岸通り」24年文學界2月号。

向坂くじら(さきさか くじら)「いなくなくならなくならないで」文藝夏季号


©宇壽山貴久子

1994年生まれ。慶應義塾大学文学部卒。2016年、Gt.クマガイユウヤとのポエトリーリーディング×エレキギターユニット「Anti-Trench」を結成。TBSラジオ「アフター6ジャンクション」に出演するなど、ライブを中心に活動。22年、詩集『とても小さな理解のための』刊行。初の著書となる。同年「国語教室ことぱ舎」を創設。23年『夫婦間における愛の適温』刊行。24年文藝夏季号にて初となる小説「いなくなくならなくならないで」を発表。

〈作品〉『とても小さな理解のための』2022年しろねこ社刊。『夫婦間における愛の適温』23年百万年書房刊。アルバム『Theory Ⅱ』(Anti-Trench名義)23年リリース。「いなくなくならなくならないで」24年文藝夏季号。

松永K三蔵(まつなが けー さんぞう)「バリ山行(さんこう)」群像三月号

1980年生まれ。関西学院大学卒。2021年「カメオ」で第64回群像新人文学賞優秀作を受賞しデビュー。

〈作品〉「カメオ」2021年群像7月号。「バリ山行」24年群像3月号。