© Walt Disney Pictures 写真:ゼータイメージ

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1994年公開、ディズニーの名作アニメ映画『ライオン・キング』で、プライド・ランドから追放されてしまった主人公のシンバのお供となるのは、ミーアキャットのティモン、イボイノシシのプンバァだ。ティモンとプンバァの名コンビは、王家出身のシンバに、自由気ままな暮らし方を教える。

そんなプンバァといえば、体臭がひどく、オナラが出やすい体質で、そのことは楽曲「ハクナマタタ」でも歌われている。「食後にサバンナ行った時 体の臭いに気がついた 俺は傷つきやすい 鈍感そうでも まいったぜ みんな風下に立たない ああ恥ずかしかった」……。

当時のディズニー映画にしてはちょっぴりお下品なオナラネタだが、一体なぜプンバァはそんなキャラクターになったのだろう?ティモン役で本国版声優を務めたネイサン・レインとプンバァ役のアーニー・サベラが、米でその真相を明らかにした。

レインとサベラは『ライオン・キング』製作当時、ブロードウェイ舞台『ガイズ・アンド・ドールズ』などで共演する仲間だった。『ライオン・キング』の収録は、この舞台公演と時期が重なっており、彼らは掛け持ちで挑んでいたそうだ。

『ライオン・キング』の収録は朝から行われていたので、舞台公演の疲れもあって「ちょっと眠たくてね」と、現場での様子を振り返るレイン。「アーニーがレコーディングで僕たちを楽しませるために、オナラの音を入れたんです。自分の会話シーンを収録しながら、オナラの音を出して僕を笑わせるんですよ。最終的に、それがキャラクターや歌に取り入れられたというわけです」。

サベラも同じように証言している。金曜日から日曜日の週末の間に5公演もこなしてヘトヘトだった週明けのこと。通常は朝10時から『ライオン・キング』の収録を始めていたが、その日に限って朝9時スタートだった。

現場に着いたレインとサベラはクタクタで、レインがティモン役のセリフを収録している最中、オナラの音を連発して盛り上げようとしたのだそう。ツボにハマったレインは爆笑しながら「やめてくれ、やめてくれ」と懇願し、サベラも「よし、止めるよ」と言いながらも連続放屁攻撃を続けた。「プンバァがディズニー初のオナラ・キャラクターになったのは、そういう経緯です」と、サベラは認めている。

サベラの現場での放屁によって生まれたプンバァのキャラクター性は、「オナラ」という全世界の子どもが共通して喜ぶお下品ネタで映画をコミカルに盛り上げた。また、気高き王子であるシンバが、体臭やオナラが臭いプンバァと仲を深めるという構造は、『ライオン・キング』の物語に友愛の精神をもたらしたと言えるだろう。ハクナ・マタタ、いい響きだ。

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