村上がヤクルト浮上のカギだ(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

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2024年シーズンが始まり、5勝9敗1分で最下位と波に乗れないヤクルト。なかでも、4番の村上宗隆も試行錯誤が続いている。

「自己最遅」開幕から54打席目で初アーチ

令和初の三冠王に輝き、日本記録の56本塁打をマークしたのが22年。

昨シーズンは春先から打撃不振が続いたが、それでも31本塁打と、3年連続30本塁打を超えた。

だが、それ以上の成績へ。巻き返しを誓う今シーズンだったが、開幕からノーアーチの日々が続く。

打線全体もつながりを欠いたため、高津臣吾監督は13日のDeNA戦(横浜)に、村上を「2番・三塁」でスタメン起用。

開幕から12試合、53打席目に中前適時打で、待望の今シーズン初打点をマークすると、翌14日の同戦では、初回1死でバックスクリーン左に、自己最遅となる開幕から54打席目で今シーズン初アーチを放った。

上昇気流に乗ると思われたが、16日の中日戦(バンテリンドーム)は4打席連続三振。17日の同戦から4番に再び戻った。

我慢して好球必打に徹しているが...

4月17日時点で、打率.271と打撃のメカニズムが大幅に崩れているわけではない。

17四球はリーグ断トツトップ。出塁率.470もリーグトップだ。

ただ、ボール球に手を出すと、調子を崩す。村上も分かっているのだろう。打席で我慢して好球必打に徹する姿勢が見える。

だが、スポーツ紙記者は

「少しまとまっている印象があります。村上の良さは豪快に振り抜くこと。チームを勝たせる打撃は重要ですが、ストライクゾーンの球を1球で仕留める怖さを感じない。替えの利く選手ではないので、本来の調子を取り戻してほしい」

と期待を込める。

4月18日の中日戦(バンテリンドーム)は、難敵・柳裕也と対戦する。首位を快走する相手の勢いを止めるためにも、ド派手なアーチで起爆剤になれるか。

村上に元気がなければ、ヤクルトは乗っていけない。(中町顕吾)