石油暖房機器に「不良灯油」(右)を使わないよう注意(国民生活センターの公式Xアカウントより)

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 灯油を長期保管したり、誤った方法で保管したりすると黄色く変色することがあります。こうした灯油は「不良灯油」と呼ばれていますが、国民生活センターは石油暖房機器に不良灯油を使うと、故障や発煙などの原因になるとして、Xの公式アカウントなどで注意を呼び掛けています。

灯油の長期保管はNG

 国民生活センターによると、灯油は太陽光や熱による変質のほか、水や灯油以外の油、ごみなどの混入で不良灯油になることがあるということです。不良灯油を石油暖房機器などに使用すると動作不良を引き起こし、場合によっては機器の故障や消火不能に陥ることがあるほか、点火不良に伴う発煙などの危険につながる不具合が生じることがあるといいます。石油暖房機器の取扱説明書などには、不良灯油の使用禁止に関する注意書きが記載されています。

 PIO-NET(パイオネット、全国消費生活情報ネットワーク・システム)には、2008〜2013年度の約5年間に灯油に関連すると思われる危害・危険事例が123件寄せられたということです。中には「去年の灯油を使用したら火が消えなくなった」「ストーブをつけた途端、煙が出て喉が痛くなった」などの事例が見られたといいます。

 そこで、国民生活センターは、石油暖房機器に不良灯油を使わないよう注意喚起するとともに、灯油は灯油専用容器に入れ、日光や雨の当たらない屋根のある場所で保管するよう、呼び掛けています。変質などの恐れがあることから、灯油を長期保管してはいけないといいます。

 機器の使用中に点火・消火不良や発煙などの異常が生じた場合、不良灯油が原因である可能性があるとして、取扱説明書に記載された不良灯油の確認方法に従い、チェックするようアドバイスしています。

 このほか、シーズン終了後に石油暖房機器の内部に灯油が残っていると、灯油が変質し、翌シーズンの使用時に故障の恐れがあるということです。機器を片付ける際は内部に残っている灯油を抜き切るとともに、使い切れなかった灯油を廃棄する場合は購入した石油販売店などに相談するよう、求めています。