Appleは同社の従業員を引き抜き、機密情報を盗み出したとして、スタートアップのRivosを訴えていたのですが、この訴訟で両社が和解に合意したことが明らかになっています。

Apple to settle trade secrets lawsuit against chip startup Rivos | Reuters

https://www.reuters.com/legal/apple-settle-trade-secrets-lawsuit-against-chip-startup-rivos-2024-02-09/



Apple to settle trade secrets lawsuit with chip startup Rivos - 9to5Mac

https://9to5mac.com/2024/02/10/apple-settle-trade-secrets-lawsuit-rivos/

Appleは2022年5月に、企業の機密情報にアクセスできるエンジニアを引き抜いたとして、ステルススタートアップのRivosを訴えました。

Rivosは競合他社から情報を隠すため、ビジネスの詳細を隠すステルスモードで運営されていますが、同社の求人情報からシリコンエンジニアを募集していたことが明らかになっています。そのため、Appleは「RivosがAppleのエンジニアを引き抜き、機密情報にアクセスすることでApple製シリコンの競合となるようなSoCの設計を目論んでいる」として、Rivosを訴えていました。

訴状の中でAppleは、「2021年6月から、RivosはAppleのSoC設計に関する専有情報や企業秘密にアクセスできるApple従業員をターゲットとした組織的なキャンペーンを開始しました」と主張。AppleはRivosに対し、「元従業員がAppleとの間で結んだ機密保持契約」について説明する書簡を送ったと説明していますが、Rivosから返答は得られなかったそうです。

AppleはRivosに引き抜かれた社員が「数GB分のSoCの仕様や設計に関する機密情報」を、AirDropやTime Machineなどを使って盗み出したと主張しています。なお、AppleはRivosに引き抜かれた2人の元従業員が機密情報を盗み出したと主張していました。



これに対して、Rivosは2023年9月に「Appleがエンジニアの退職を阻止するために脅迫やその他の戦術を駆使した」と反訴していました。

そして2024年2月9日、Appleがカリフォルニア州連邦裁判所に対して提出した書類から、同社がRivosと和解に至ったことが明らかになっています。AppleおよびRivosは「訴訟を解決する可能性がある合意書に署名しました」と述べ、和解に至ったことを説明しました。なお、この合意によりAppleはRivosのシステムを調査し、盗み出された可能性のある同社の機密情報を回収することが可能となるそうです。

AppleとRivosの和解について最初に報じたロイターは、両社に和解に関するコメントを求めていますが、記事作成時点で返答は得られていません。