「お金のことなら何でも聞ける」と思ってない? FPに聞いて分かった「相談」できること&できないこと
あなたは「ファイナンシャルプランナー(FP)」に相談をしたことがありますか。家計管理から資産運用まで、生活を取り巻くお金の悩みにアドバイスをくれる存在です。しかし、実際にどんな相談に乗ってもらえるのか、反対に相談できないことはあるのかについては、「実はよく知らない」という人も少なくないのではないでしょうか。そんな疑問について、ファイナンシャルプランナーの齊藤颯人さんに聞いてみました。
具体的な税務相談は対応不可
Q.ファイナンシャルプランナーにはどんなことが相談できるのですか。
齊藤さん「ファイナンシャルプランナーの専門分野は、『身の回りのお金にまつわること全般』といえます。具体的には、次のような相談内容が一般的です」
・ライフプラン設計
・家計管理
・相続対策
・資産運用(NISAやiDeCoの活用法など)
・保険(選び方、保険料の抑え方など)
・不動産(住宅ローンなど)
Q.では反対に、相談できないことは何でしょうか。
齊藤さん「相談できないこととしては、『来年の所得税を◯◯円に抑えたい』といった、相談者個人に関する具体的な税務相談などでしょうか。個別の税務相談は税理士しかできない業務と法律で決まっており、ファイナンシャルプランナーが対応することはできないのです。
その他、『確定申告をしてほしい』『税金にまつわる書類を作成してほしい』といった税金申告などの業務も税理士の専門分野ですし、法律関係の手続きであれば弁護士に、というすみ分けがあります。ただし、税理士や弁護士の資格を保有しているファイナンシャルプランナーも活動しているので、まとめて相談したい場合にはそういった人材を探してみるのもいいかもしれません」
Q.ファイナンシャルプランナーに相談を依頼する際の「費用の目安」を教えてください。
齊藤さん「まず、ファイナンシャルプランナーには金融機関などの企業に所属している場合と、独立して活動している場合の2パターンが存在します。企業所属のファイナンシャルプランナーは、自社の金融商品を販売することで利益を得るため、『相談無料』とうたっていることも少なくないですね。
一方、独立して活動するファイナンシャルプランナーの場合、相談のみで1時間5000円から1万円程度が相場でしょうか。ライフプランの見直しなどで書類作成の業務が入るとおおよそ2万円程度となるなど、依頼する内容によっても費用は異なるので、事前によく相談した上で依頼しましょう」
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ファイナンシャルプランナーは、いわゆる「お金のプロ」ともいえる存在で、日常生活におけるさまざまなお金のやりくりについて適切なアドバイスをしてくれる専門家です。相談内容が幅広いだけに、「誰に依頼するのか」「どのような内容を相談するのか」を事前にしっかりとまとめておきましょう。