【年収600万円】「住宅ローン」借入額の目安はどのくらい? FPに聞いて分かった“現実的”な金額
マイホームの購入時に「住宅ローン」を組む場合、年収と照らし合わせて借入額を決める必要があります。しかし、借入額を誤ると、返済の負担が大きくなり過ぎてしまい、長期にわたって家計を圧迫する可能性も出てきます。そこで、住宅ローンにおける年収ごとの借入額の「目安」について、ファイナンシャルプランナーの齊藤颯人さんに教えていただきました。今回は「年収600万円」のケースです。
5000万円までは可能かもしれないが…
Q.「年収600万円」の人が住宅ローンを申請する場合、審査はどのような点が重視されますか。
齊藤さん「あまり大きな借入額にならなければ、年収によって審査内容が大きく変わることはありません。年収額ももちろん重要な条件ですが、他にも完済予定時の年齢、職業および勤続年数、担保の有無、健康状態などさまざまな要素を鑑みて判断します。
住宅ローンの審査は『事前審査』を経て『本審査』に進む必要があり、どちらもクリアしなければローンの借り入れができません。金融機関にもよりますが、結果が出るまではおおむね2〜3週間程度かかります」
Q.年収600万円の人が住宅ローンを借りたいと思った場合、どの程度の借入額が目安でしょうか(他所ローンなしの場合)。
齊藤さん「借入額は引き上げようと思えば、5000万円程度までは可能かもしれません。しかし年収倍率が8倍超となり、あまり現実的な返済スケジュールとはいえません。
最終的な借入額を検討するには、月々の返済額と家計を両立できる金額にとどめることが原則です。年収600万円をモデルとした場合、年収倍率としては5〜7倍、金額では3000万〜4200万円程度が理想的といえるでしょう」
Q.借入額の目安を踏まえた上で、どのような条件の物件を購入できるでしょうか(関東圏のケース)。
齊藤さん「あくまで大まかな傾向であることを前提に、『ファミリー層で3LDK程度の間取りを希望している人』という想定で進めます。
具体的な金額でいうと、最大でも4000万円台前半くらいが目安でしょうか。アクセスの利便性をあまり考慮しないのであれば、エリアによっては新築物件も視野に入れてもよいでしょう。
東京23区内を第1条件にするのなら、足立区や葛飾区などは希望の物件を探しやすいエリアになりそうですね。ただし、中古かつコンパクトな間取りが基本で、もし新築なら建売の一戸建てを前提に考えた方がよいかもしれません。というのも、新築マンションは需要が非常に高く、近年は価格高騰が著しいためです。
また、借入額に限度はあっても、貯金や親族からの援助などがあり、頭金が多く用意できる場合であれば、より高い物件の購入も検討できます」
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住宅ローンを組むときは、借入額だけでなく「継続的に無理なく返済できるか」という視点を持つことも重要です。数十年かけて返済をしながら、無理なく家計のやりくりをするにはどうしたらいいのか……そんな悩みがある人は、一度ファイナンシャルプランナーに相談してみるのもお勧めです。