実は捨てるのがもったいないタマネギの「皮」 有効な“活用法”を管理栄養士に聞いてみた
料理でタマネギを使う際に、表面の茶色い皮を捨てている人は多いと思いますが、実はさまざまな使い道があるのをご存じでしょうか。タマネギの皮の有効な活用方法について、管理栄養士の桜井このさんに教えていただきました。
皮を煮出してだしを取ることが可能
Q.そもそも、タマネギの茶色い皮はどのように使われているのでしょうか。
桜井さん「『タマネギの皮を食べることはできない』と思っている人は多いかもしれませんが、実は、タマネギの皮にも栄養成分がたくさん含まれています。後で解説しますが、私たちがよく食べる白い部分よりも皮の方に多く含まれている栄養成分もあります。
『たまねぎの皮茶』など、お茶として使われることもあれば、皮を煮出すことでおいしいだしを取ることもできますよ」
Q.タマネギの皮のお勧めの使い方について、教えてください。
桜井さん「タマネギの皮と他の野菜くずなどを一緒に煮出すと簡単に作れるブイヨンは、ほのかな野菜本来の優しい味が感じられるのでお勧めです。長期保存したい場合は、冷凍すると1カ月程度は保存が可能です。
他には、皮付きのままグリルしたり、細かく砕いてふりかけのように使ったりすることもできますね。粉末だしにすればスープやサラダにかけることで、手軽な調味料に大変身するので手軽に摂取できますよ」
Q.タマネギの皮には、どのような栄養が含まれているのでしょうか。
桜井さん「タマネギの皮は、白い部分とは異なる色をしていますが、あれはポリフェノールの一種である『ケルセチン』という成分が含まれているためです。白い部分よりも皮の方が多く含まれているのはこのケルセチンで、含有量は白い部分の30倍といわれています。
ケルセチンは血中のコレステロールや血糖値の調整をするため、抗酸化作用やアレルギー反応の抑制などの効果があるといわれています」
近年はフードロスを減らす運動が盛んに行われていることから、野菜の皮やくずの活用方法にも注目が集まっているのだそうです。タマネギの皮には栄養がたっぷり含まれていて、だしも取れると聞いたら、捨てるのがもったいなくなりませんか。ぜひ活用してみてくださいね。