ANAが約3年半ぶりに復活させた豪州西部・パースへの直行便。この都市はどのようなところなのでしょうか。

成田発着で週3運航

 ANA(全日空)が2023年10月から、「世界で最も美しい街」とも称される、オーストラリア西部・パースへの直行便の運航を再開しています。同社のパース線は2019年に開設するも、新型コロナウイルスの影響で2020年3月より、約3年半運休となっていました。このパースはどのようなところなのでしょうか。


パース空港のANA機(乗りものニュース編集部撮影)。

 これまで日本からパースは、シンガポールや香港は経由した乗り継ぎ便でしか行き来できなかったエリアですが、ANAが就航したことで、直行便で往来できるように。同社の担当者は「これまで『どこに行くにも5時間かかる』といったエリアでしたので、直行便復活の反響は大きいです。比較的搭乗率も好調で、7割程度を確保しています」と話します。

 現在ANAのパース線は成田発着で週3運航。この地はエネルギー産業が盛んで業務渡航が盛んであるほか、「世界一幸せな動物」とも呼ばれるクオッカ・ワラビーが住むことで知られるロットネスト島といった観光資源にも富んでいるとのことです。

 実際に都市部に降り立つと、ある意味海外らしからぬ清潔感に溢れた都市であることに気づきます。路上にゴミや吸い殻などがほとんど落ちていないのです。また、公共交通機関も発達しており、空港から都市部まで電車で20分程度と、アクセスもしやすいのも特徴であるほか、市内のバスも無料で利用できます。

「泊まれる刑務所」「世界一幸せな動物がいる島」行ってみた

 今回、もっとも有名なスポットのロットネスト島をはじめ、いくつか観光スポットを巡ってみました。

 ロットネスト島はパース駅から電車で30分ほどの場所にあるフリーマントルという駅から、船に乗って行き来します。島内の移動手段は自転車やバスがメインです。手つかずの自然が残る島で、海のキレイさは別格。目玉のクオッカ・ワラビーはレストランなどが並ぶ繁華街に多く生息しているようで、ランチをとっていると”おこぼれ”をもらいに数匹がレストランに入店してくるシーンなどが見られるなど、非常に人懐っこい生物でもあるようです。


ロットネスト島(乗りものニュース編集部撮影)。

 また、ロットネスト島と本島を結ぶ玄関口であるフリーマントル駅周辺には、1991年まで実際に使用されていて、現在は世界遺産となっている「フリーマントル刑務所」もあります。施設内は一般見学(有料)も可能で、日本語ガイド(音声録音を流す方式)にも対応。かつて本当に受刑者が暮らしていた囚人房をはじめ、その内部を探索することができます。ちなみに、このフリーマントル刑務所は、なんと宿泊にも対応しています。

 このほかパースには、多種多様なワイルドフラワーが咲く世界最大級の都心型公園「キングスパーク」や、州内最古のワイン生産地「スワンバレー」などの観光資源もあるとのことで、さまざまな楽しみ方ができる街であることは間違いなさそうです。