パレスチナ自治区ガザ市で、イスラム組織ハマスから赤十字に引き渡された仏系イスラエル人のミア・シェムさん。AFPTVの動画より(2023年11月30日取得)。(c)AFP

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【AFP=時事】イスラム組織ハマス(Hamas)に拘束されていた元人質の仏系イスラエル人の女性が29日に公開されたインタビューで、パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)にある拉致実行犯の自宅で拘束されている間、レイプされるのではないかと恐れていたと語った。

 タトゥーアーティストのミア・シェムさん(21)は、ハマスが10月7日に行ったイスラエル南部への越境攻撃で拉致された250人の一人。

 シェムさんはイスラエルのチャンネル13のインタビューで、拘束中の最大の懸念事項はレイプだったと振り返った。

 拉致実行犯の一人の自宅で拘束されていたシェムさんは、「部屋のすぐ外には実行犯の男の妻子がいた。レイプされなかった理由はそれだけだ」と語った。実行犯はシェムさんから目を離さなかったという。

 シェムさんは砂漠で開催されていた音楽フェスティバル「スーパーノバ(Supernova)」の会場から拉致され、11月末の戦闘休止合意の一環として解放された。

 拘束中は「暗い部屋」に監禁され、話すことも禁じられていた。拉致される際の銃撃で負傷したが、痛み止めももらえなかったという。

 ハマスによる越境攻撃から2か月以上が経過する中、性暴力の報告が増加している。

 イスラエル当局は、ハマス戦闘員が越境攻撃の際に集団レイプや性器切除を行い、子どもや死体に対しても性暴力を行ったと繰り返し主張している。

 だが、生存者の証言も、法医学的証拠もとぼしく、性暴力の規模は立証困難となっている。

【翻訳編集】AFPBB News

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