イーロン・マスクの反ユダヤ主義的コメントを受けてApple・ディズニー・ワーナー・パラマウントなどがX(Twitter)への広告出稿を停止
by Daniel Oberhaus
X(Twitter)でナチス寄りとみられる投稿の近くに広告が表示されるのはヘイトスピーチを許さないポリシーに反するとして、IBMがXへの広告出稿を停止したのに続き、Appleやディズニーといったメディア企業もこれまで継続してきたXへの広告出稿を停止したことがわかりました。Xのオーナーであるイーロン・マスク氏が反ユダヤ主義的な投稿に同調していることが一因とみられます。
https://www.cnbc.com/2023/11/17/apple-has-paused-advertising-on-x-after-musk-promoted-antisemitic-tweet.html
Companies pulling ads from X: Disney, Apple, IBM and more
https://www.axios.com/2023/11/17/companies-pulling-x-twitter-ads-apple-disney-ibm
Apple pulls its ads from X after Musk’s antisemitic posts - The Verge
https://www.theverge.com/2023/11/17/23965928/apple-x-ads-elon-musk-antisemitic-posts
2023年11月16日、非営利団体のMedia Mattersが「Xは親ナチス的コンテンツの隣にAppleやIBMなどの広告を表示している」と指摘。報道を受けて、IBMはただちに「ヘイトスピーチや差別を一切許容しない」と反応し、状況を調査する間、Xへの広告出稿を停止することを表明しました。
イーロン・マスクが反イスラエル主義発言で物議を醸す、Xユーザーのヒトラー再評価の投稿に反発してIBMがXへの広告出稿を停止 - GIGAZINE
by UK Government
これを皮切りに、複数の企業が広告出稿を停止している、または停止する方針であることが明らかになっています。これまでに広告出稿を停止していることがわかっているのはApple、ディズニー、Comcastおよび子会社のNBCユニバーサル、Lions Gate、ワーナー・ブラザース・ディスカバリー、パラマウントです。
2022年11月にイーロン・マスク氏がTwitterを買収したのち、広告主上位100社のうち70%が広告出稿を停止した時でもディズニーをはじめとするエンタメ業界は出稿を続けていました。
Twitterの広告主上位100社のうち70%が広告を出すのをやめている - GIGAZINE
しかし今回は、Xのオーナーであるマスク氏が反ユダヤ主義的投稿へ同調したことで、多くの広告主がいったん距離を取る決断をすることになりました。
なおCNBCは、マスク氏が2023年5月に行われたデビッド・フェイバー氏との対談の中で「言いたいことは言います。その結果、損失が出るならそれはそれで構いません」と語ったことを指摘しています。
Elon Musk defends Soros tweets: 'I'll say what I want'
https://www.cnbc.com/2023/05/16/elon-musk-defends-inflammatory-tweets-ill-say-what-i-want.html
マスク氏からすれば「自身のポリシーを貫いただけ」となりますが、「差別は全面的にやめるべき」「世界のどこにも反ユダヤ主義の居場所はない」と火消しに奔走するXのリンダ・ヤッカリーノCEOからすると頭の痛い問題といえそうです。