記者会見で司会をした松本和也氏

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故・ジャニー喜多川氏の性加害問題で、ジャニーズ事務所の2回目会見の司会を務めた元NHKアナウンサーの松本和也氏(56)が「指名NG記者」リストにどのように関わっていたのか、注目が集まっている。

松本氏の指名が不自然だったとして、NGを意識していたのではないかとの指摘がツイッター(X)上で出た。一方で、松本氏から指名されたNG記者もいたと報じられたことから、松本氏が内心では抵抗感を覚えていた可能性などもあるとの見方もある。

会見出席の記者「指名の仕方は、あきらかに不自然でした」

「なぜ後ろばかり指名するんですか」。東京都内で2023年10月2日に行われた会見では、指名されないことに一部記者が声を荒げるシーンがあった。井ノ原快彦ジャニーズアイランド社長が「落ち着いていきましょう」と呼びかけるが、会見後も、これらの記者が「八百長のよう」などとツイッター上で異議を唱えた。

その後、会見を仕切った「FTIコンサルティング」が「NGリスト」を会場に持ってきていたとNHKが4日に報じ、「NG記者」と記されたリストの映像も示した。

これに対し、会見に出席した東京新聞の望月衣塑子記者は同日、「大変不愉快です。やはり茶番・八百長会見でした」とツイッターで怒りを露わにした。そして、「司会の元NHKの松本和也氏の指名の仕方は、あきらかに不自然でした」と断じた。望月記者は、「10月2日記者会見質疑応答」とする内部資料も関係者から提供を受けたと写真を投稿している。そこでは、「指名NG記者リスト」6人と新聞やテレビなどを対象にした「指名候補記者リスト」8人の名前とみられる部分を黒塗りして示していた。

NG記者問題が大きな話題になると、松本氏が会見の途中で、「色々顔を覚えられなくなってきました」と発言したことがネット上で注目を集めた。

松本氏がNG記者を当てないようにしており、指名してしまったことなどに慌てたのではないかとの憶測も流れた。一方で、松本氏が「初めてですね?」と記者にその後聞いていることから、1社1問のルールを守れなくなってきたとの意味ではないかとの指摘もあった。

所属事務所「取材は、すべてお断りしています」

松本氏はNHK時代、07、8年に紅白歌合戦の総合司会を務めたほか、「英語でしゃべらナイト」の司会や「ダーウィンが来た!」のナレーションなどを担当した。報道番組のキャスターも務めており、ジャーナリズムにも関わっていた。16年にNHKを退職した後は、スピーチなどを教える「マツモトメソッド」の社長を務めるほか、ナレーターなどもしている。

松本氏は、SNSでも発言しているが、NG記者問題については、ツイッター上では沈黙したままだ。

松本氏が所属している青二プロダクションでは10月5日、J-CASTニュースの取材に対し、この問題についてこう話した。

「取材は、すべてお断りしています。その理由についても、お答えできません。コメントも出す予定はありません。詳しいことは、ジャニーズ事務所に聞くようにお願いします」

ジャニーズ事務所では、FTIコンサルティングに打ち合わせで指名NGはダメだと伝え、同社が「では当てるようにします」と答えたとし、流出した資料については、「弊社の関係者は誰も作成に関与しておりませんし、指名をしない記者を決める等も全く行なっておりません」と公式サイトで発表している。

あくまでも、指名NGは、事務所とは関係ないとの立場だ。

FTIコンサルティングは、「一部報道について」と題するコメントを発表したと報じられた。それによると、「この資料は限られた会見使用時間の中で会見の円滑な準備のために弊社が作成し、運営スタッフ間で共有したもので、ジャニーズ事務所においては、こうした資料に関わらず、登壇者、司会者の判断のもと、幅広い媒体の記者の皆さまに質問頂くこととし、貴重なご意見を頂戴した」という。司会者が指名の判断に当たって、資料をどのように使ったかについては触れられていなかった。

(J-CASTニュース編集部 野口博之)