トヨタが史上初の「スライドドアモデル」初公開! ビッグな新型「センチュリーGRMN」も実現できちゃう? フルオーダーが本当に凄そう

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新型「センチュリー」には史上初のスライドドア仕様も実現する?

 2023年9月6日、トヨタは最上級ショーファーカー「センチュリー」の“新モデル”を世界初公開、同時に予約受付を開始しています。

 この新モデルというのは、かねてより噂されていた、通称「センチュリーSUV」の市販版となるモデルですが、同社はこのクルマをSUVとは表現していないため、本記事では新型センチュリーと表記します。

【画像】「えっ…!」これが“スライドドア搭載”新型「センチュリー」の画像です(50枚以上)

 そんな新型センチュリーの発表会は、動画配信サイトYouTubeを通じて全世界に配信されましたが、そのプレゼンテーションの中で通常モデルに加えGRバッジを付けたGRMN仕様も公開されました。同モデルは市販車ではありませんが、なんとセンチュリー史上初の“スライドドア”を搭載したモデルです。このドアは、通常の新型センチュリーでも注文可能なのでしょうか。

えぇ! 新型「センチュリー」にスライドドアモデルもあるの?

 これまでのセンチュリーのGRMNといえば、世界に2台(白と黒)しかない特別なモデルで、詳細なスペックは明かされていない、特殊なモデルでした。

 今回用意された新型センチュリーGRMNも市販化を前提としたモデルではないと言いますが、このクルマには、外装や特別なチューンナップだけでなく、通常モデルと大きく異なるポイント1つがありました。それが“スライドドア”の採用です。

 厳密に言えば、このスライドドアはレールを持たないためスライドドアではなく“リンクドア”と呼ばれるものです。

 写真では分かりづらいですが、新型センチュリーGRMNの後部ドアBピラー側に小さいシルバーのスイッチが用意され、これに触れることで、ドアが後方に開いていきます。

 トヨタの商品企画担当にこのドアについて、訪ねたところ「これはアイシン(トヨタ系の自動車部品メーカー)と共同開発したものです」と答えてくれました。

 アイシンは、2022年11月24日にサステナビリティ実現に向けた取り組みの説明会「アイシン サステナビリティ説明会2022」でSUVに搭載可能な観音開きタイプのスライドドドア「新リンク式パワードア」を発表しており、これを2024年に中国など海外を含めたSUV市場に投入予定だということを明かしていました。

 今回新型センチュリーGRMNに搭載されたのもこれと同様のものだといいます。

 では実際にこのドアを導入した新型センチュリーを発売するという意味合いなのでしょうか。

 前述の担当者に聞いてみたところ「“オーダーメイド”でご要望があれば作ることもあると思います」と答えてくれました。

 新型センチュリーの発表リリースの中で、トヨタは新型センチュリーについて「今後、お客様一人ひとりのご要望をお伺いしながら、グローバルでフルオーダーにお応えし、より多くのお客様に『Freedom in motion −究極の移動の自由−』をお届けしていきます」としています。

 つまり新型センチュリーでは、ユーザーの独自の要望に答えた“フルオーダーメイド”のオリジナル仕様の展開が予定されており、このリンクドアも、“フルオーダーメイド”で実現することがあるということ。

 また、市販予定のないGRMN仕様自体もこれを要望するユーザーがいれば実際に実現するとのことでした。

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 “スライドドア”仕様以外にも、プレゼンテーションの中では、オープントップ仕様も公開されており、これも同様にフルオーダーメイドでなら実現する可能性があるとのことでした。

 新型センチュリーの“フルオーダーメイド”は、想像の範囲内に収まる“ただのオーダーメイド”ではないようです。

新型センチュリーってどんなクルマ?

 センチュリーといえば、トヨタのショーファーカー(専属運転手がハンドルを握り、オーナーやゲストは主に後席へ乗る高級車)として、1967年に誕生した最上級セダンです。

 現行モデルは2018年に登場した3代目となるセンチュリー(セダン)ですが、このモデルに加わる形で、新型センチュリーが登場しました。

フルオーダーで通常モデルでもスライドドアを実現できちゃう?

 新型センチュリーは、「これからもセンチュリーがお客様のご期待を超えたおもてなしをお届けしていくために、どうあるべきか」をテーマに、移動時間をより有効に活用し、車内での休憩や、オンライン会議に参加するなど、変化し多様化するショーファーニーズに答えるため、既存の4ドアセダンスタイルから、ボディ形状をより背の高いSUV風スタイルに変化させた大型モデル。

 コンセプトは「The Chauffeur」で、本質を追求し、センチュリーにふさわしい品格や静粛性・乗り心地を継承しつつ、センチュリーとしてこれからの時代もユーザーの期待に応えし続ける新しいショーファーカーに仕上がっています。

 ボディサイズは、全長5205mm×全幅1990mm×全高1805mmで、ホイールベースは2950mm。大柄なボディながら乗車定員は4名の豪華な仕様です。

 エクステリアは、“威風凛然”をテーマに日本の美意識を随所にちりばめられた、品格のある佇まいが特徴的です。

 ボディ形状や、灯火類のデザインなどあらゆるデザインがこれまでのセンチュリーから大きく変化しているにも関わらず、しっかりと“センチュリー”と認識できるデザインとなっています。

 インテリアは、「人中心」の思想で設計された、快適な移動時間を実現する室内空間となっており、リフレッシュ機能など、後席に座るVIPが心からくつろげる機能を備えた、フルリクライニング可能なリアシートを採用。

 後席だけでなく前席にも抜かりはなく、プロドライバーをしっかりサポートする機能や装備を集約し、使い勝手を高めたコックピットとなっているほか、ショーファーカーに相応しい後席の快適な移動を実現するためのセッティングを施した専用の走行モードも備えています。

 一方で新型センチュリーは、ドライバーズカーとしても走行を楽しめる十分な性能も併せ持っています。

 これは世界の高級車ブランドで普及が広がるSUVタイプの場合、休日は世界のVIPも自ら運転しアクティブに活用する機会も多いという調査結果を受けて設計したとトヨタは説明します。

 パワートレインは、センチュリーにふさわしい静粛性と力強く爽快な走りを両立した、最高出力262馬力・最大トルク335Nmを発揮する3.5リッターV型6気筒エンジン+モーターのプラグインハイブリッドシステムを新開発し搭載。これに組み合わされるトランスミッションは電気式CVTとなっています。

 消費税込み価格は2500万円。トヨタブランドの中で最も高額なクルマとなっています。