Googleが開発するChromeOSを搭載するノートPC「Chromebook」の自動アップデート提供期間が、「10年間」に延長されることが明らかになりました。

Google extends automatic updates for Chromebooks

https://blog.google/outreach-initiatives/education/automatic-update-extension-chromebook/



Google extends Chromebook support from 8 years to 10 after heightened backlash | Ars Technica

https://arstechnica.com/gadgets/2023/09/google-extends-chromebook-support-from-8-years-to-10-after-heightened-backlash/

2012年に登場したChromebookは、手頃な価格で購入できる動作の軽快なノートPCとして人気を博しました。安全かつシンプルで管理しやすいデバイスでありながら、デバイスが安価ということで特に教育機関などで広く普及しつつあります。Futuresourceによると、Chromebookは幼稚園から高校までの教育機関で世界中で最も利用されているデバイスであるとのこと。

しかし、教育現場に導入されたChromebookがソフトウェアアップデートの期限切れを迎え、大量廃棄の危機に直面していることが報じられていました。

学校が大量に導入したChromebookがソフトウェアの更新期限切れで大量廃棄の危機に直面 - GIGAZINE



そんな中、GoogleがChromebookをさらに長く利用し続けられるするように、自動アップデートの提供期間を10年間に延長すると発表しました。これは他のOSが提供するソフトウェアアップデートの提供期間と比べても長いものです。

Googleはこの自動アップデートの延長について、「セキュリティは我々の最優先事項です。Chromebookは4週間ごとに自動アップデートを取得し、ノートPCの安全性を高め、長持ちさせます。そして、2024年からはプラットフォームのリリース後10年間、Chromebookのセキュリティ・安全性・機能が強化されるように、自動アップデートを提供します」と説明しています。

GoogleはChromebookの各種コンポーネントとソフトウェアアップデートとの互換性を確保するために、プロセッサやWi-Fiチップなど、あらゆるコンポーネントメーカーと協力して、すべてのChromebook向けにソフトウェアを開発・テストしているそうです。

そして、2024年以降は「2021年以降にリリースされたChromebook」に、10年間のソフトウェアアップデートが自動で配信されます。2021年より前にリリースされたChromebookの場合、ユーザーとIT管理者は、自動アップデートをプラットフォームのリリース日から10年間に延長するオプションを利用可能です。ただし、この場合は一部の機能がアップデートに対応していない場合もあるとのこと。



加えて、GoogleはChromebookを開発するパートナー企業と協力し、より多くのリサイクル材料を使用してChromebookを構築し、電力効率の高い新機能と迅速な修理プロセスを展開していくことを約束しています。

既に複数の教育機関が校内修理プログラムを構築することでChromebookの寿命を延ばしており、Googleの調査によるとアメリカの学校の80%以上がChromebookの少なくとも一部を校内で修理しているそうです。Chromebookの修理プログラムは教育機関がChromebook用の修理パーツを見つけることを支援し、特定のデバイスを修理するためのガイドを提供してくれる模様。

また、修理をさらに迅速にするためのアップデートを提供しており、新しい修理フローでは認定修理センターや教育機関の技術者は、物理的なUSBキーを利用せずにChromebookの修理が可能になります。これにより、ソフトウェアの修復に必要な時間が50%以上短縮されることにつながるとのことです。



そして、修理ができなくなってしまった場合でも、教育機関は再販業者を通じてChromebookを販売あるいはリサイクルすることが可能となります。再販業者は教育機関に金銭あるいはサービスクレジットを提供し、その後、回収したChromebookを再販したり、分解して使えるパーツを再利用したり、完全にリサイクルしたりすることが可能です。