生後3カ月のマウスと生後2年のマウスを結合して循環系を共有させたところ、高齢のマウスの寿命が10%延長されたことが分かりました。

Multi-omic rejuvenation and life span extension on exposure to youthful circulation | Nature Aging

https://doi.org/10.1038/s43587-023-00451-9



Scientists Connected Old Mice to Young Mice, And It Rejuvenated Them : ScienceAlert

https://www.sciencealert.com/scientists-connected-old-mice-to-young-mice-and-it-rejuvenated-them

ハーバード大学の遺伝学者であるボーハン・チャン氏らは、生後2カ月の若いマウスと生後2年の年老いたマウスを用意し、異時性パラバイオシス(Heterochronic parabiosis:HPB)と呼ばれる外科手術を行って2匹の循環系を結合しました。

その後12週間にわたり結合状態を維持し、この間2匹は同じ血液や細胞を共有しました。12週間という期間は、人間でいえば8年に相当するそうです。



12週間後に行った検査の結果、若いマウスから血液を得た高齢マウスは他のマウスよりも長生きし、血液や肝臓の生物学的年齢を劇的に減少させたとのこと。さらに2匹を引き離して経過を観察したところ、分離2カ月後でも若返り効果は持続していたと報告されています。

研究チームは「結合を長期間続けると、最終的に寿命と健康寿命が延長されることが明らかになりました。若いマウスが新しい細胞を供給しているのか、それとも単に老化を促進する古い血液を若いマウスが和らげているのかは不明です」と述べました。