門扉や玄関アプローチ、カーポートなどの外構リフォームは、住宅の外回りを見栄え良くすることはもちろん、住み心地を良くしたり防犯性を高めたりする効果が期待できます。この記事では、外構リフォームの種類や費用相場などを紹介するとともに、外構リフォームを成功させるためのポイントについて解説します。

外構リフォームとは

外構とは庭や門扉、玄関アプローチ、カーポートなど住宅の外にある構造物全般のことで、敷地内の空間(エクステリア)を構成する要素です。エクステリアは住宅の第一印象を左右するため、外構リフォームでデザイン性を高め、「おしゃれな家」を演出することができます。機能性や安全性、防犯性を向上させて、より住みやすい住宅にすることも可能です。

外構リフォームの費用相場

外構リフォームの一般的な費用相場は以下のとおりです。実際にかかる費用は工事の規模や内容、選ぶ材料などによって異なるため、あくまでも目安として参考にしてください。

外構リフォームの主な種類

費用相場で紹介したとおり、外構といっても種類はさまざまです。そこで、ここからは外構リフォームの主な種類を解説します。

門扉
前面道路と敷地を仕切る門扉には、住まいの防犯性を高める効果があります。外構のなかでも特に目立ちやすく、デザインによって住宅の印象がガラッと変わります。樹脂製やアルミニウム製、鉄製、木製などの素材があり、洋風・和風ともにデザインも豊富です。

リフォームの際は住宅の雰囲気に合わせつつ、素材や機能性に着目して選ぶとよいでしょう。片開きタイプと両開きタイプがあり、価格は両開きのほうが高めです。

階段・手すり・スロープ
玄関前に段差がある場合、階段を設置すると出入りがスムーズです。雨の日などに滑って転倒することのないよう、滑りにくい素材を選ぶようにしましょう。手すりをつけておくと、さらに安心です。

また、スロープは車いすやベビーカーの移動の際に役立ちます。「手すりやスロープは必要になってから…」という考え方もありますが、一度にリフォームを済ませておけば手間や費用の節約につながるため、検討してみてはいかがでしょうか。

植栽
植栽とは、庭や玄関まわりなど敷地内に植えられる植物と、それらを植える工事のことを指します。花や緑を楽しむだけでなく、外部からの目隠しや夏場の日よけなど目的・効果はさまざまです。たとえば、目隠し用にするには一年を通して葉が落ちることのない常緑樹がおすすめです。わずかなスペースでもエクステリアに植物があると雰囲気が和らぎます。好みに応じて実の収穫や秋の紅葉を楽しめるような樹木を植えるのもよいでしょう。

玄関アプローチ
敷地に入ってから玄関まで続く道のことを玄関アプローチといいます。土間コンクリート仕上げはバリアフリーになり、車いすやベビーカーの移動に便利です。レンガやタイル、石材などを使用してスタイリッシュに仕上げるのもおすすめです。防犯性を高めるには砂利を敷くとよいでしょう。砂利の上を歩くと音がするため、不審者の侵入防止に効果があるといわれています。

目隠しフェンス
目隠しフェンスは外からの視線を遮るために設置します。隣接する家や道路からプライバシーを保つ効果があり、浴室の窓の前や洗濯物を干すバルコニーあたりに取り付けることが多いようです。

また、庭で気兼ねなく過ごせるプライベートな空間をつくるときにも利用されます。素材や色などによって、外からだけでなく内側から見たときの印象も変わってきます。重厚感を求めるならダークな色味、圧迫感を避けるなら明るい色味がおすすめです。通風性が気になる場合はルーバータイプのフェンスを選ぶとよいでしょう。

テラス・ウッドデッキ
1階リビングから続く屋外スペースにテラスやウッドデッキを設置することで、庭に出ることなく外の空間を楽しめます。テラスは「盛土」を語源とするもので、土間コンクリートにタイルなどを貼って仕上げるのが一般的です。

ウッドデッキもテラスと同じく半屋外のスペースで、木材を使った独特の雰囲気と温かみが人気を集めています。屋根や囲いをつけることも可能で、お茶や食事を楽しんだり洗濯物を干したりして、多目的に使用できます。

カーポート
カーポートとは、屋根と柱で構成された車庫のことです。屋根のない駐車スペースとは違い、車の乗り降りの際に雨に濡れにくく、風雨や紫外線から車を守れるなどのメリットがあります。片側だけに支柱を立てる片側支持タイプ、両側の支柱で屋根を支える両側支持タイプ、車庫の後方に支柱を立てる後方支持タイプがあり、設置場所や駐車台数などに応じて使いやすいものが選べます。

サンルーム
サンルームは太陽光を取り入れることを目的とした部屋で、屋根や開口部がガラス張りになっています。植物を育てるガーデンルームに適していますが、雨の日や花粉が気になる季節には洗濯物を干すスペースとしても役立ちます。外構とはいえサンルームには気密性・断熱性があり、部屋と同じように使えるのが特徴です。読書をしたり子どもを遊ばせたりして、自由な使い方ができます。

なお、床面積10平方メートルを超えるサンルームを増設する場合、建築申請が必要です。建ぺい率・容積率にも影響するので、違法建築物にならないように注意してください。

外構リフォームを成功させるためのポイント

外構リフォームを成功させるためのポイントは、主に次の4つです。

・目的を明確にする
・予算を決める
・デザインの統一感を意識する
・複数のリフォーム業者に相談する

まずは外構リフォームの目的を明確にしましょう。たとえば、「庭にプライベート空間がほしい」「車いすで移動しやすくしたい」などと要望がはっきりしていると、リフォームの規模や内容が決めやすくなります。

リフォームしたい場所が複数ある場合は、優先順位を決めて予算内に収まるかどうかを検討してみてください。素材や色、デザインの選択肢が多くて悩みがちですが、ちぐはぐな仕上がりにならないよう、住宅を含めて全体的に統一感があるかどうかを意識しながら選ぶことが大切です。

複数のリフォーム業者に目的や希望を伝えてプランを出してもらい、納得できる業者に工事を依頼するようにしましょう。

まとめ

外構リフォームはエクステリア(住宅まわり)のイメージアップに効果的です。ただし、エクステリアは防犯上重要な部分でもあるため、見た目だけなく機能性もしっかり考える必要があります。

リフォーム費用は施工内容や面積などによって大きく変わり、10万円程度でできる工事もあれば150万円以上かかることもあります。業者によっても工事費が異なるので、複数のリフォーム業者から見積もりを取り寄せて比較検討しましょう。