国土交通省 鉄道局都市鉄道政策課は、都市部の鉄道における路線・区間別の混雑率を公表しました。東京メトロでは順位が大きく入れ替わり、南北線が1位となりました。

南北線の混雑率が140%に 混雑緩和の見込みは

 国土交通省 鉄道局都市鉄道政策課は2023年7月14日(金)、都市部の鉄道における路線・区間別の混雑率を公表しました。2022年度は、東京圏123%(108%)、大阪圏109%(104%)、名古屋圏118%(110%)となり、2021年度よりも混雑率が増加しています。


南北線の車両(画像:写真AC)。

 なかでも大きな“異変”があった鉄道会社のひとつが、東京メトロです。各線の上位5区間の混雑率は次の通り。

●2022年度
南北線 駒込→本駒込:140%
千代田線 町屋→西日暮里:139%
東西線 木場→門前仲町:138%
日比谷線 三ノ輪→入谷:135%
副都心線 要町→池袋:132%

 次に、昨年度の状況です。

●2021年度
東西線 木場→門前仲町:128%
日比谷線 三ノ輪→入谷:127%
千代田線 町屋→西日暮里:126%
南北線 駒込→本駒込:121%
丸ノ内線 新大塚→茗荷谷:109%

 2022年度は混雑率ランキングの順位が大きく入れ替わり、1位は東西線から南北線になりました。南北線は8時から9時にかけて、6両編成が19本運行されており、輸送力は1万6834人で昨年と変わりませんが、輸送人員は2万332人から2万3568人に増加。混雑率が121%から140%に跳ね上がりました。南北線は、1日あたりの平均輸送人員が東京メトロで最も少ない路線で、輸送力が他の路線より小さいことが影響し、朝ラッシュ時は最も混雑する路線になってしまいました。
 
 ただ今後に関しては、6両編成から8両編成への増結が進むことで、混雑緩和が見込まれます。南北線は、2022年4月から東急の車両による8両編成の運行を開始し、2023年3月18日の東急・相鉄新横浜線開業後は、相鉄の車両も8両編成で乗り入れるようになっています。
 
 東京メトロは、6両のまま残っていた自社車両に関して、2023年度に1編成を8両化します。今後については「順次8両化を進めていきますが、全編成が完了する時期については未定です」(広報部)としています。南北線と相互直通運転を行う埼玉高速鉄道も、8両編成の新型車両を1編成導入する予定。当面は6両編成と8両編成が混在するものの、少しずつ輸送力の増強が進むと見られます。


※一部修正しました(7月19日13時24分)。