「アクアライン6車線化を」千葉県が要望 実は既にスペース確保済み どこにある?
千葉県は2023年6月、国への2024年度の要望に「東京湾アクアラインの6車線化」を盛り込みました。実はアクアラインは建設当初から、将来の6車線化を見据えた準備工事が施されています。
2024年度の要望に「東京湾アクアラインの6車線化」
千葉県は2023年6月、国への2024年度の要望に「東京湾アクアラインの6車線化」を盛り込みました。アクアラインの抜本的な交通容量の拡充方策について、中長期的に検討する必要があるとしています。
現在は川崎側のトンネル部分、木更津側の橋梁部分のどちらも4車線ですが、実はアクアラインは建設当初から将来の6車線化を見据えた準備工事が施されています。
東京湾アクアライン(画像:写真AC)。
アクアラインは2014年4月から、国と千葉県の負担を前提に通行料金が値下げされて800円(ETC普通車)となり、交通量が増加。木更津市では三井アウトレットパークなどの大型商業施設が開業し、会員制倉庫型スーパー「コストコ」日本法人が本社を設けるなど、地域経済が活性化しています。
一方で休日を中心に渋滞が顕著になり、2023年のゴールデンウィーク期間には、10km以上の渋滞が5日も発生しているといいます。そのため、2023年7月22日(土)から、時間帯により料金を変動させ混雑緩和につなげる「ロードプライシング」も始まります。
要望では、今後も経済効果をさらに高めるべく、「アクアライン割引」継続に必要な予算を確保することを求めています。また、さらなる交通需要の増加に対応するため、6車線化などの交通容量の拡充方策を中長期的に検討する必要があるとしました。あわせて「橋梁が4車線から6車線に拡幅が可能な構造となっているほか、3本目のトンネルを掘り進めることが可能な構造となっている」と指摘しています。6車線化に対応した構造とは、具体的にどの部分なのでしょうか。
アクアラインを管理するNEXCO東日本関東支社によると、「6車線化に関して具体的な検討を行っているわけではない」(広報課)としたうえで、「建設当初から浮島取付部、海ほたるに3本目のトンネル入口が確保されているほか、換気施設『風の塔』にも新たなトンネルを接続させるスペースが確保されています。また、橋脚も片側2車線から3車線に増やせるよう幅を広くとった設計となっています」と話します。
川崎側からアクアトンネルに入る際、一番左側に車線がない謎のトンネルがあります。このトンネルこそ、建設時に確保された3本目のトンネル入口なのです。海ほたるPAでは、臨時駐車場の奥に3本目のトンネル入口があり、既に300mほど掘削されていますが、通常は立ち入ることはできません。
今回、アクアラインの中長期的な交通容量の拡充方策として、千葉県が6車線化を切り出した形ですが、建設当時に施された6車線化の準備工が日の目を見る日は来るのでしょうか。