(写真:photoポケット/PIXTA)

「お金持ちには共通しているルールがある」とマネーコンサルタントの頼藤太希氏は言います。それはお金の基本を押さえて、お金が自動的に貯まるしくみを作り、それぞれのお金の使い方の価値基準に合わせてお金を使うということ。

お金に困らないために必要なのは、「節約する」「貯める」「使う」「備える」「増やす」という5つのお金の基本の考え方です。とてもシンプルなことですが、それでもお金持ちの人とそうでない人に分かれる理由は、「ポジティブに情報を取り込んで、身につけたお金の知識を実際に行動・実践しているかどうか」です。

今回は、よりよい人生設計のヒントとなるお金のテクニックを、頼藤氏の新刊『1日1分読むだけで身につくお金大全100[改訂版]』より一部抜粋・編集のうえ、わかりやすく解説します。

「お金を使うと増える」と考える投資脳

「お金を使うと減る」のは本当でしょうか。確かに、1000円の本を買ったら、財布から1000円がなくなるのですから、お金は減ります。しかし、その1000円の本から学んだことを生かして、100万円稼げるようになったとしたら「お金を使って増やせた」ということになるでしょう。お金持ちは、普段の支出はもちろん、資産運用にしても、スキルアップにしても、このような「投資脳」で考えています。つまり、お金をより価値のあるものに使って、今あるお金を増やそうとしているのです。

「お金が減ってしまうから、なるべく使わないようにしよう」と消費を減らし、節約することはもちろん大切です。しかし『お金を使う=消費』という「消費脳」では、節約はできるかもしれませんが、お金を増やしていくことは難しいのです。

消費脳を投資脳に変え、お金持ちの習慣を身につけていけば、お金はどんどん貯まり、増やしていけます。


(出所:『1日1分読むだけで身につくお金大全100[改訂版]』)

■毎月の生活費は「夫婦共通の財布」で管理

お金の貯まる夫婦は、毎月の生活費など、家計の支出を「共通の財布型」で管理します。共通の財布型では、お互いの収入から決められた額を出して一つの財布にまとめ、生活費や固定費を支払います。お金の流れが「見える化」しやすいのがメリットです。

ただし、夫婦で収入差がある場合もあるでしょう。

その場合、お互いが決められた金額を出すと、自由に使えるお金の金額に差が出てしまいどちらかに不満がでてしまいます。

夫婦の収入に差がある場合は、「夫6:妻4」などと、共通の財布に入れる金額の配分を変えます。残った分はおこづかいにすれば、自由に使えるお金も多くなります。

一方、お金の貯まらない夫婦は、夫婦それぞれの財布で家計を管理する「それぞれの財布型」が多いようです。

それぞれの財布型は、家計管理の意識が希薄になり、ムダ遣いも多くなりがちです。夫婦間で毎月の収入や支出、さらには将来のライフプランが共有できていないと、お金の使い方をめぐって問題に発展しかねません。

たとえば、どちらかが「子育てのために」貯蓄や投資をしていても、片方はそこまで貯蓄をしておらず、ライフプランに狂いが生じる可能性もあるでしょう。まずは、お金のことを相談しあえる関係を築くことが大切です。


(出所:『1日1分読むだけで身につくお金大全100[改訂版]』)

子供名義の口座を賢くつくる


子供名義の口座は、子供のお金の準備や金銭教育に活用できるメリットがありますが、注意点もあります。子供が未成年の時は、親が子供の名義の口座を開設したり、入出金したりできます。しかし、18歳を迎えて成人すると原則として子供自身しか手続きできなくなります。

また、子供自身が通帳や印鑑を管理していないと、子供名義の預金は贈与税の対象になる場合があります。学費などが一定金額まで非課税で贈与できる「教育資金贈与」や、年間110万円以下の贈与が非課税となる「暦年贈与」を利用すれば贈与税を非課税にできます。

子供が子供名義の口座の存在を知らない場合、将来同じ銀行で口座を開けなかったり、相続税がかかったりするケースが。子供名義の口座の存在は、早くから子供に知らせましょう。

10年間まったく取引がない口座は休眠口座扱いとなり、引き出しに手間がかかることも覚えておきましょう。


(出所:『1日1分読むだけで身につくお金大全100[改訂版]』)

将来を考え今何にお金を使うのか、夫婦でいる場合にはお金の価値観や使い方について共有することが大切になってきます。

人生は行動しないと何も変わりません。一つ一つの行動で習慣を変えていき、習慣が変われば人生が変わります。皆様の行動の一歩になれば幸いです。

(頼藤 太希 : マネーコンサルタント)