恐ろしい強盗事件が世間を騒がせている今こそ、防犯を強化しましょう。小さな心がけの積み重ねが、大切な家族を守ることにつながります。防犯ジャーナリスト・梅本正行さんが解説します。

プロが教える「狙われない家づくり」とは?

「昨今の体感治安は戦後最悪です」と防犯ジャーナリストの梅本正行さんは指摘しつつ、最近の犯罪の傾向を分析します。

●急増するあき巣や強盗から家と家族を守るために「侵入させない家づくり」を

「世間を騒がせている強盗事件は、特殊詐欺グループがその名簿を使って犯行に及んでいて、犯人は素人集団です。一方、あき巣の手口は巧妙化しています。情報収集はSNSがメイン。侵入後、クレジットカードをスキミングしてこっそり情報だけ抜き取り、あとでお金を引き出すといった方法も増加中です」

多様化する犯罪の被害に遭わないためにできることは?

「侵入させない家づくりが大事。あき巣被害は無施錠による侵入が最多で、認知件数のうち41パーセントを占めます。要は、カギをかければ、4割は防げるのです」

まずは施錠の徹底。それから窓に防犯フィルムをはったり、近所づき合いを密にしたりなど、対策の積み重ねが大切だとか。

「これさえやれば大丈夫! と言える防犯対策はありません。犯罪者を諦めさせる対策をできることから少しずつ行い、重ね技でリスクを下げていきましょう」

●狙われやすい4つポイント

<1:根拠のない自信をもっている>

被害者の多くが「うちが狙われるなんて思わなかった」と言います。根拠のない自信は防犯意識の低さの表れです。

<2:カギをかけずにゴミ捨てに行く>

家を出る瞬間を犯罪者は見ています。数分の間に侵入し、ゴミ捨てから戻った住人と室内で鉢合わせるケースも。

<3:歩きスマホをしている>

歩きスマホは「危機意識が低いです」と宣伝しているようなもので、格好のターゲットに。イヤホンにも要注意。

<4:高級品を身に着けている>

高級品を身に着け、SNSで発信すれば「余裕があるお金持ち」だと思われて当然。嫉妬は犯罪を引き寄せます。

ESSE読者に聞いた「緊急防犯調査」

エッセ読者228人に、防犯意識についてアンケートを行いました。

●玄関のカギを必ずかけるのは76パーセント

76パーセントが「少しの時間でも絶対にカギをかける」と回答。梅本さんも「すばらしい心がけ」と絶賛。一方、約2割の「3分以内ならかけない」人には、「施錠を癖にせよ!」と喝が。

●最近、防犯対策を強化したのは20パーセント

20パーセントという結果に「防犯意識の高まりを感じる」と梅本さん。強化対策のベスト3は、玄関を二重カギにする、カメラつきインターホンへの交換、庭への人感センサーの設置でした。

●あき巣に入られたことがあるのは8人に1人

「寝ている間に家に侵入され、財布の現金を盗まれました。危害を加えられなかったことが、不幸中の幸いです」(Oさん・40歳)

「カギをかけていない裏口からあき巣に入られ、超高級時計を3本盗まれました。犯人は捕まっていません」(Nさん・42歳)