たとえば建売住宅や賃貸の間取り図。「LDK」だからといって、そのとおりに使うことはありません。ダイニングテーブルとソファー、ローテブルを撤去し、「リビング兼ダイニング」として使うスペースのために、テーブルを新たに購入した日刊住まいライター。ここで、食事、在宅での仕事、おもてなしをこなすようにしたら、コンパクトな空間が広く使えるように。家事もしやすくなるなど、メリットについて語ります。

LDKを再構築、3つから2つに分ける使い方に変更

8年ほど前、建売住宅を購入した筆者夫婦。購入した家の間取りは、1階に13畳ほどのコンパクトなLDKがあるというものです。

引っ越し当初は、ごく一般的なLDKのように部屋を使っていました。キッチンがあり、そこにテーブルを横づけしてダイニングスペースに、そしてリビングが別に…といった具合。

各スペースの役割どおりに、利用していたわけです。しかし、コンパクトなLDKだと、なんだかスペースをムダ使いしている気がするし、窮屈な気が。そこで、この部屋全体を「キッチン+リビング兼ダイニング」のようなレイアウトにすることに。3つに分かれていた部屋を2つに分けることにしました。

結果的に、部屋が広く使えて、とても暮らしやすくなりました。詳しく説明していきましょう。

 

タイニングテーブルとソファー、ローテーブルを撤去

それぞれ独立していたリビングダイニングを「リビング兼ダイニング」に変更するに当たり、まず、ダイニングテーブルを撤去。さらに、リビングに置いてあったソファとローテブルもなくしました。

代わりに、「リビング兼ダイニング」として使うスペースのために、テーブルを新たに購入(写真の白いテーブルです)。ここで、食事、在宅での仕事、接客(おもてなしなども含む)などをこなす仕組みに変えました。

 

ソファーがなくなったことで、部屋に余白が生まれて広く見えます。これまでは、ダイニングテーブルとローテーブルがあったせいで、スペースをムダ使いしていました(似たようなことを2か所ですることになるし、通路分のスペースがもったいない)。

1つに集約してしまったことで、今は効率的に床面積を使えている気がします。

 

キッチンに立つことと仕事の距離が縮まった

部屋全体を「キッチン+リビング兼ダイニング」としたことで、物理的にも気持ちとしても、「キッチンに立つ」ことと「それ以外のことをしている」ことの距離が縮まりました。

在宅ワーカーである筆者は家で仕事をすることも多く、仕事の合間にキッチンに立つことも(あるいは、逆もしかり)。以前のレイアウトでは、なんとなく使いにくさを感じていました。

でも、今のレイアウトにしてからは、動線が短くて便利だし、キッチンでほったらかしにしている鍋の様子などもわかります。

それに、仕事の合間に家事がはさみ込まれても、仕事モードが保てるようになりました。

家事分担が自然にできるように

今の時代、夫婦間での家事分担は当たり前。ですが、この家に引っ越してくる前は、夕食の配膳を当たり前のように筆者がしていました。夫とふたり暮らし。たいした手間ではありません。気にもしませんでした。

しかし、この間取りになってからは、自然と各自が配膳や食べたあとの片づけするのが習慣に。これは先に触れたように、キッチンとの距離感が、気持ち的に縮まった効果だと思います。

思いがけず、片づけの時短になりました。

また、夫は持ち帰った弁当箱を、帰宅後すぐにシンクへ出すように。こうして、名もなき家事がいくつか減ったのです。

 

来客の顔を見ながら準備と片づけができる

親兄弟がわが家に遊びに来たとき、おもてなしをしながら飲食の準備ができる。これも、今のレイアウトで気に入っている点です。

キッチンとリビング(兼ダイニング)が隣り合った間取りだと、キッチンに立ってカウンター越しに対面で話をしながら片づけもしやすいです。また、ゲストが手伝ってくれることさえあります。おかげで、みんなが帰宅するのと同時にキッチンがきれいに片づいていることも。

もし、キッチンとリビングが離れていると、ここまでスムーズにはいかないような気がします。

会話も途切れ途切れになるかも。あるいは、ゲストを残したままキッチンにたびたび向かうのも気が引けるので、片づけはあと回し…となったことでしょう。

 

距離が近いと、食べ物のにおいが気になることも

キッチンとリビング(兼ダイニング)が近いデメリットとしては、食事のにおいでしょうか。この悩みは、以前のレイアウトでも同様に感じていました(そもそも元LDKはコンパクトな空間なので)。

といっても、筆者は調理中に必ず換気扇を使うので、いつも気になるというわけではありません。

対策としては、しっかりとコンロ回りの掃除をしておくこと。とくに、来客があるような場合は、念入りに。加えて筆者は、写真のような電気式の脱臭機を利用することにしています。

以上、リビングとダイニングをひとつのスペースにまとめた効果について、語りました。一般的に、リビングとキッチンは、どちらの長い時間を過ごす場所です。部屋の使い方やレイアウトを工夫して、双方への「行ったり来たり」をスムーズにすると、意外なほど効率化ができます。