50代で「キッパリやめてよかった」2つのこと。“当たり前”の習慣を手放したら快適に
ずっと当たり前だと思って使ってきたもの、やって当たり前だったものが、年齢とともに違和感を覚えることがあります。そんなときは思いきって手放してみる。そうすすめてくれたのは、整理収納アドバイザーの原田さよさん。今回、やめてよかった2つのことを教えてもらいました。
50代、やめてよかった昔「当たり前だったこと」
今は片づけの資格を活かしてお伝えするようになりましたが、私は元々捨てるのが大の苦手。押入れやタンスはギュウギュウ詰めの状態でした。そんな私が、50代に入ってから「このままでは将来しんどくなる!」と思って家じゅうを片づけ始めました。
●昔からの習慣がなかなかやめられなかった
ものの「捨て活」はどんどん進められたのですが、昔からの習慣はなかなか変えられませんでした。でも、あるとき気づきました。私のやり方は、年齢を重ねていくこれからの暮らしには合わないと。それをやめてみたら、すっきりしたし、家事もラクになりました。
まず、やめてみたことが2つあります。ひとつは、籐(とう)のカゴを使った収納。もうひとつは、レースの布を固定電話やテーブルや下駄箱の上にかぶせること。いずれも、母も義母もしていたことで、結婚して20年以上経っていた当時の私も、当たり前にやっていたことでした。
これは私がめんどくさがりな性分だからです。丁寧に手入れができる人は、もちろんやめなくていいかと思います。
●籐のカゴを使うのをやめた
まず、籐のカゴを使った収納をやめました。大中小それぞれ、2つずつは持っていたでしょうか。籐のカゴを使った収納は、放り込むだけでいいし、フタをしめたり布をかぶせたりすれば中が見えないので、重宝していたのです。
また、天然素材やファブリックを使った収納はほっこりして癒やされていました。これを買った当時は流行っていたのもあり、雑誌かなにかで見てほしくなったのだと思います。
でもこの籐のカゴを使った収納だと、カゴの網目にホコリがつきやすいのです。うっかり掃除をサボると白い綿ボコリが網目のところにたまり、それがわりと目立ちます。その綿ボコリを取るときは、先の細いノズルをつけた掃除機を使うか、それでだめなら平たい毛先のブラシで取るか。それでも取りきれない場合は、綿棒を使って掃除していました。
といっても、そういう手入れができていたのは、せいぜい40代の初め頃までだったと思います。だんだん、「ああ〜ぁ、めんどくさい!」と、ついつい放置しがちに。
あまりのめんどくささに、50代に入ってからやっと処分したというわけです。20年以上は使った籐のカゴたちでしたが、「これで網目のすき間掃除から解放された」とホッとしたのを覚えています。
まだ使えるものでしたが、籐のカゴを使った収納は長いあいだ楽しませてもらったので、これでよしとしました。そのとき以来、洗えるプラスチックのカゴや、網目なしのケースを使って収納しています。
●家電や家具に汚れ防止のカバーを載せるのをやめた
固定電話の上にレースの布をかぶせたり、ゲタ箱やダイニングテーブルの上にビニールのレースの布を載せたりするのもやめました。もしかすると、わが家だけかもしれませんが、これもじつは面倒だと気づきました。
テーブルもゲタ箱も電話も、布やビニールのレースをかぶせていると、傷や汚れ防止にはなります。ですが、年齢を重ねるにつれ、その布やビニールのレースの手入れをサボりがちに。また、「なにかを載せていれば汚れない、大丈夫」というような妙な安心感に頼って、本体(テーブルやゲタ箱の上や電話)の掃除もあまりしなくなりました。
こうなると、いつも、テーブルもゲタ箱も電話もぼや〜っと汚れている状態になります。私が元々ズボラだったうえに50代にさしかかって何事もおっくうになったため、ますますその傾向が強くなってしまいました…。若い頃は頑張れたのですが、私には「かぶせて汚れ防止」というやり方は向いていないと分かりました。
そう気づいて外したのが、50代の初め頃です。最初は、こんな私がマメに本体を掃除できるかな? と案じたのですが、カバーがないことでかえって掃除しやすくなりました。また、なにもかぶせていない方が、見た目にもすっきりして喜んでいます。ちなみに、今も義母のために固定電話は置いてありますが、布がない方が埃も取りやすく、前よりキレイです!
●年齢とともに手に負えないことを見直してみる
50代以降の暮らしをラクに。快適に。今まで当たり前にしていたことをやめるのには勇気がいりますが、やめてみたら案外そんなことは忘れてしまうものです。やめた方がラクだと気づくからでしょうね。
大事にしていた、流行っていて楽しんで使っていた、でも、今の私には手に負えなくなっている。「たぶんあれはない方が手入れがラクだろうな…」と思っているものがあったら、一度やめてみるのはいかがでしょうか。それが私のように、籐のカゴだけとか、レースの布だけとかだったら、そんなにハードルは高くないと思います。
私も引きつづき、見直していきます。いっしょに、ラクで気持ちいい暮らしを目指していきたいですね。
原田さよさんの最新刊『50代はやめどき、捨てどき、楽しみどき』(扶桑社刊)が発売中。