「半導体」がランキング第1位、関連株一斉蜂起で注目度急上昇<注目テーマ>

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5 インバウンド
6 人工知能
7 パワー半導体
8 ペロブスカイト太陽電池
9 総合商社
10 核融合発電

 みんかぶと株探が集計する「人気テーマランキング」で、「半導体」が1位に躍り出た。

 ここにきて日本株への海外投資家による買い攻勢が強まっているが、そのなかでも半導体関連株への投資マネー流入が際立っている。米国では半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)が既に年初来高値近辺まで浮上しているが、相対的に出遅れていた東京市場でもこれに追随する動きが顕著となってきた。売買代金で不動のトップの座を占めるレーザーテック<6920.T>が満を持して底入れ反騰色を強めたほか、半導体検査装置で世界首位級のアドバンテスト<6857.T>や、半導体切断・研磨装置でトップシェアを誇るディスコ<6146.T>などが上場来高値圏を走るなど、異彩の上げ足をみせている。

 半導体市況の実勢悪は否定しようがない。スマートフォンやパソコンの出荷低迷を背景にメモリー中心に在庫が積み上がり、昨年来急速な軟化傾向を余儀なくされている。今年に入り半導体市況は年前半に底入れし、年後半回復に向かうとの観測も取り沙汰されていたが、最近になって底入れはまだ先との見方が強まり、投資家心理を冷やす背景となった。米メモリー開発・製造大手のマイクロン・テクノロジー<MU>のCEOが同社の3月の決算発表時に、「メモリー業界は過去13年間で最も崩れた環境」と発言したことが伝わり、実際に従業員の大幅削減を発表するなど、逆風環境が強く意識された。また、台湾の半導体受託製造最大手TSMC<TSM>のCEOも4月中旬に、23年12月期の売上高がリーマン・ショックの影響が直撃した09年12月期以来となる前年実績割れとなることに言及し、世界の耳目を集めた経緯がある。

 しかし、こういう局面で半導体関連株が、一斉に底入れ反騰に向かうのは過去に繰り返されてきたことでもある。前出のマイクロンのCEOは、今月18日に岸田首相と面談し、日本の先端半導体工場に今後数年で最大5000億円の投資を行うと述べたことが大手メディアのインタビューで明らかとなっている。“夜明け前が一番暗い”ということわざがあるが、今はまさにそれが当てはまり、半導体関連株は日米ともに未来の風景を株価に織り込み始めている。

 レーザーテクやアドテスト、ディスコのほか、東京エレクトロン<8035.T>、SCREENホールディングス<7735.T>、ニコン<7731.T>といった大手半導体製造装置メーカーや、野村マイクロ・サイエンス<6254.T>、ローツェ<6323.T>などが注目されるほか、シリコンウエハーのツートップである信越化学工業<4063.T>やSUMCO<3436.T>、ICパッケージで米インテル<INTC>を主要顧客に持つイビデン<4062.T>、TSMCと熊本工場で協業体制にあるソニーグループ<6758.T>などが注目される。このほか中小型株も相次いで人気化しており、半導体セクターの物色人気の裾野はこれから広がりそうだ。

出所:MINKABU PRESS