マンチェスター・シティがCL頂点へ王手 難敵レアル・マドリードを崩しきった先制ゴールは十八番の形
Question
カイル・ウォーカーにパスが渡ったあと、マンチェスター・シティはどのように崩したか?
UEFAチャンピオンズリーグ準決勝第2戦、マンチェスター・シティ対レアル・マドリードが行なわれ、マンチェスター・シティが4−0で勝利。トータルスコアで5−1とし、2シーズンぶりに決勝へ進出した。
アウェーでの第1戦を、1−1の引き分けで折り返したマンチェスター・シティ。ホームの第2戦では、立ち上がりから高いボールポゼッションで主導権を握った。するとベルナルド・シウバが前半23分に先制点、37分にも追加点を奪い、2点リードで前半を折り返した。
後半に入るとレアル・マドリードも攻勢に出るが、後半31分にセットプレーからマヌエル・アカンジのゴールでリードを広げると、アディショナルタイム1分にフリアン・アルバレスが4点目を決め、4−0で大勝となった。
今回は、マンチェスター・シティの先制のシーンを取り上げる。
前半23分、右サイドの敵陣深い位置でジョン・ストーンズがボールをキープし、後方のカイル・ウォーカーへバックパス。そこにベルナルド・シウバをマークしていたエドゥアルド・カマビンガが対応に出る。
ウォーカーが受けたあと、マンチェスター・シティはどのように相手を崩したか
次の場面で、マンチェスター・シティはどのようにレアル・マドリードを崩したか、というのがQuestionである。
Answer
デ・ブライネが中で受け、カマビンガの背中でフリーになったベルナルド・シウバへスルーパス
マンチェスター・シティが、得意な形で綺麗に崩した場面である。
ストーンズが右サイドでボールを受ける前に、ベルナルド・シウバがオープンになった右サイドでロドリからサイドチェンジのロングフィードを受けている。さらにそこへ中央にいたストーンズが右ポケット(ペナルティーエリア内のハーフレーン)を取るように斜めに動いてボールをもらい、最初のイラストの場面になった。
中のデ・ブライネがパスを受け、ポケットにフリーで入ったベルナルド・シウバへスルーパス
レアル・マドリードのDFラインはサイドバックのカマビンガがサイドに釣り出され、左センターバックのダビド・アラバとの距離は大きく空いていた。これでオープンになったポケットに走ったストーンズに対しては、トニー・クロースがついていったが、それもストーンズがサイド流れたことで釣り出された。
これだけ振り回されてフリーのウォーカーにバックパスが通り、カマビンガが対応に出た時にはストーンズと入れ替わりでポケットに入ったベルナルド・シウバがフリーとなっていた。
ウォーカーはカマビンガを十分に引きつけてから左横のケビン・デ・ブライネへパス。この時、ルカ・モドリッチは背後を取られるのを恐れてデ・ブライネへの寄せが甘くなった。
これで余裕を持って前を向けたデ・ブライネは、丁寧にベルナルド・シウバへスルーパス。抜け出したベルナルド・シウバは体の向きでファーへのシュートを見せて、ニアへ冷静に打ち込んで先制点となった。
逆サイドへ展開してサイドバックを釣り出し、空いたポケットを取るというマンチェスター・シティ十八番の形で、鮮やかに崩しきった見事な先制点だった。
事実上の決勝戦とされた大一番を制したマンチェスター・シティが、悲願のCL初優勝となるか、注目である。