シンプルでスタンダードな味わいが、住民を惹きつける秘訣なのかもしれない。

学芸大学で、長く愛され続けているイタリアン『ロ・スパッツィオ』。

王道のピッツァや煮込み、コーヒーなど、住民たちに親しまれる看板メニューの数々が、そこにはあった!


バールから始まり、街の興隆を見守ってきた存在

ハイカウンターが印象的な店内


若いスタッフが颯爽と動き、明るい声と接客で、店内には活気が満ちている。

東口商店街から住宅地に逸れた路地の一角。喧騒とは少し離れた場所にこの名イタリアンはある。

店のオープンは2002年。バリスタの草分けとして知られる、野崎晴弘さんがこの地にバール文化を根付かせるべく開いたのが始まりだ。



野崎さん(中央)は2019年にオープンさせたジェラテリア『プレフェリータ』に立ち、こちらは若手スタッフに委ねている


「当時、学大には知人のイタリア人をはじめ、外国人が多く住んでいました。彼らが身近に感じてくれ、ふらっと立ち寄れる。そんな本場のバールを目指しました」

旨いワインとつまみ、そして最高のカプチーノを求め、ハイカウンターには20人ほどが集い、深夜まで活気に溢れていた。当時、それは珍しい光景だったという。

レストランスタイルへと舵を切ったのは、ピッツェリアを併設した2013年。

「もう少しゆっくりと食事を楽しんでもらえる店に」と、テーブル席をメインにテラス席も新たに設置。



街の風景の一部になった人気のテラス。風が心地いいこれからの時期は、6席限定のテラス席でワイングラスを傾けたい。駅徒歩1分だが、メイン通りからは1本入ったロケーションだけに雰囲気は、落ち着いている


以来、美食感度の高い地元客や若い世代も増えたことで、コロナ禍をも乗り越えた。


ピッツァ、煮込み、コーヒー。本場と変わらない味こそが、愛される理由


自社輸入の豆を使った「カプチーノ」715円。



究極にシンプルで濃厚な味わい「豚肩ロースの超絶煮込み」


オープン当初から人気のあった「トリッパ」にヒントを得て煮込み料理を強化。2013年に新たにラインナップしたのが新定番のこちら。

水を加えず、玉ねぎと白ワインのみで4時間以上煮込んだ豚肉が抜群に美味。1,650円。



街の人に愛される究極のスタンダード「マルゲリータ+エクストラ」


通常のマルゲリータよりもミルキーな味わいが後を引く一枚。トマトの酸味ともちもちの生地感もたまらない。

あらゆる酒と相性が良く、スナック感覚で楽しめる。1,760円。


地元民はテイクアウトでピッツァをオーダー!


雨や寒い日は、地元客からオーダーがひっきりなしに入るとか。

キッチュで目を引くBOXのデザインはイタリアではポピュラーなものだそう。



ピッツァも煮込みもコーヒーも。店の看板メニューはそのままに、時代の空気感を敏感にキャッチし、変化していく。

そんな柔軟な姿勢が、この地で長く愛され続ける理由なのかもしれない。


■店舗概要
店名:ロ・スパッツィオ
住所:目黒区鷹番3-3-5
TEL:03-5722-6799
営業時間:【月〜水・金】ランチ 11:30〜(L.O.14:30)
            ディナー 18:00〜(L.O.22:00)
     【土・日・祝】ランチ 11:30〜(L.O.15:00)
            ディナー 18:00〜(L.O.22:00)
定休日:木曜
席数:テーブル20席、テラス6席


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