暖かい日が増えて、外食気分も上がる今日この頃。

そんなグルメな大人たちに、東カレが厳選した注目の新店5軒をご紹介。

和を感じるフレンチや、バーのような鮨店まで、ぜひ“行きたいお店リスト”のアップデートを!


1.輝かしい経歴を個性へと昇華。瞬く間にグルマンたちを魅了した!@神楽坂
『Jfree』



2023/1/7 OPEN



落ち着きを醸し出す藍色の壁面と、温かみのある一枚板のカウンターのコントラストが印象的な空間デザインは、古巣『フロリレージュ』も手掛けた甲斐晋介さんによるもの


名だたるレストランで経験を積み、傑出したキャリアを持つ新鋭が、今年1月、神楽坂に自身の城を構えた。



バーのような扉が目印


装飾を一切排した扉に店名のロゴのみが光る、ストイックなエントランス。

店内の様子が一切うかがい知れないだけに、扉の向こうで過ごす時間への期待は高まるばかり。


穏やかな人柄に癒される!

料理や空間の印象はスタイリッシュながら、陣内さんが纏う空気感はきわめて柔らか。また、宮崎出身であることから、評判の高い「妻地鶏」や、「梶並農園」の野菜など、地元の食材を積極的に使う


「『フロリレージュ』で個性を磨くこと、『カンテサンス』ではセオリーにとらわれない自由な発想を大切にすることを学びました」というオーナーシェフの陣内 翼さん。

ほかにも『L’EAU』『Hiroya』といった人気店、さらには日本料理の『赤坂しょう山』での修業経験を経て、フランス料理に和の要素を融合させる独自のスタイルを探求している。

とはいえ基本となるのは「主となる食材をどう食べてもらうのがもっとも美味しいのか?」という発想。素材の持ち味を引き出す技法や、組み合わせる香味野菜、調味料に工夫を凝らす。

また、生クリームなどの乳製品を極力使わず、軽やかな食後感に仕上げることにも心を砕いているという。

その結果紡ぎ出される料理は、イニシャルの「J」と“翼”という名前から想起した「free」を組み合わせた店名通り、自由な感性に満ちている。


馴染みがあるようで、新しい。これは“陣内フレンチ”と呼びたい新ジャンル


活け締めした「穴子」は鱧のように骨切りしてから直火で焼き、ダイレクトな風味を強調。

シャンピニオンデュクセルとシェリービネガー、うるいと菊の花と合わせた、躍動感あるひと皿だ。




皮目を香ばしく焼いた「サワラ」には、北寄貝で旨みを補った九条ねぎの青い部分を使ったスープと、白い部分をバターでソテーしたものを添えて。

ねぎの香味と甘味を楽しめるひと皿。




コースの序盤に出る「地鶏スープ」は、宮崎県産「妻地鶏」で取ったもの。




大好きなクレープとブリュレを合体させた、という「ブリュレミルクレープ」。

料理はいずれも、おまかせコース(14,300円。5月より16,500円に改定)の一例。


日本酒もあり自由闊達!


ペアリングコース(7,500円。5月から8,500円)で、「地鶏スープ」と一緒に供されるのが「伯楽星」。


■店舗概要
店名:Jfree
住所:新宿区神楽坂2-11-7 AY2ビル 2F
TEL:050-3184-1540
営業時間:ランチ 12:00〜(L.O.13:00)
     ディナー 18:00〜(L.O.20:00)
定休日:日曜、月曜不定休
席数:カウンター6席 ※要予約



2.ホテル的重厚感の中で「ふたり」を楽しむ。そんな時間もあっていい@台場
『中國料理 跳龍門』



2023/1/26 OPEN



ソファの背が半円を描いているテーブル席は、隣のゲストが気にならないコンパートメントスタイル。ゆったりとしていて、プライベート感を味わえる


高級広東料理店の銘店で、その腕を存分にふるっていた名シェフ・袁家寳(エンカポ)氏による多彩な料理が人気の銀座『家寶 跳龍門』。

今年1月、お台場にあるホテルの中でも圧倒的な眺望を誇る「ヒルトン東京お台場」に、姉妹店を開いた。

広東料理といえば中国四大料理に数えられ、また日本人にも馴染み深いメニューが多いだけに、多種多様な客層が利用するホテル内のダイニングには最適といえるだろう。


伝統的な中国料理を直球でいただく。それもまた、大人の階段


スペシャリテの「KAPO鶏のクリスピー揚げ」を含むコースは、昼夜とも用意されている。

新鮮な伊達鶏を皮はパリパリに、身はしっとりと仕上げる。




希少な食材「熊の手」は通に人気な一品。このために海外から予約を入れるゲストもいるほど。

価格は時価で、この日は秋田から届いたツキノワグマを使用(※要予約)。



丁寧に取った自慢の上湯を使った「ツバメの巣のキヌガサ茸巻き」は、ディナーコース「桂花」(18,150円)に含まれる一品


「鶏のクリスピー揚げ」をはじめとする袁氏のスペシャリテから、全ての料理のベースとなるスープ・上湯まで、いずれも銀座店と変わらぬ味わいを守る。

加えてこちらでは、ホテルならではの豪奢な空間や豊富な個室といったさらなる魅力が加わっている。



お台場の開放感は東京随一!


加えて、目を見張るゴージャスさのバーラウンジが併設されているから、こちらで食事の前後のひとときを過ごして味わい尽くしたい。


■店舗概要
店名:中國料理 跳龍門
住所:港区台場1-9-1 ヒルトン東京お台場 2F
TEL:03-5962-1288
営業時間:ランチ 11:00〜(L.O.14:30)
     ディナー 17:30〜(L.O.21:00)
定休日:月曜(祝日の場合は営業)
席数:テーブル16席、個室5(6席2室、10席3室)※要予約



3.個性的な店が並ぶグルメエリアにパリのマルシェ気分を味わえる新星がデビュー!@西小山
『caillou』



2022/11/30 OPEN



店は駅にほど近い商店街の一角に


「美味しそうな食材を見つけて“どんな食べ方が美味しい?”とお店の人とコミュニケーションを取る、フランスの市場のような気分でその日のメニューを組み立てていただけたら」。

シェフの安達晃一さんがかねてより抱いていた、そんな理想を形にしたレストランが、2022年11月に西小山に誕生した『caillou』だ。




カウンターに面するテーブル。

背を向けた側の席でも厨房の様子が見えるよう、壁面の上部に鏡を設置。


ゲストが食材と調理法を選ぶ。一期一会のコースを組み立てる面白さ


カウンターの左右に華やかなショーケースが。



ディナーの花形となる厳選された食材はこちら


カウンターの左側には、メインディッシュの食材が。

真鯛や仔羊、蝦夷鹿、リ・ド・ヴォー。そして白眉は、安達シェフの焼き方に適した状態に仕上げられて届く滋賀の精肉店「サカエヤ」の牛肉だ。



パテ、テリーヌ、サーモンetc.、自家製の前菜に目移りする


カウンター向かって右側にあるのは、サーモンの燻製、山菜のテリーヌ、フォアグラのブリュレなど、安達シェフが手を掛けた前菜類が並ぶショーケース。

ホワイトアスパラガスなど季節の野菜類も。



安達さんが腕を振るうカウンターキッチンの前には、オードブルや野菜類、メインディッシュ用の食材がずらりと並んでいる。

例えばホワイトアスパラガスは1本から、パテは100gからオーダーが可能。「前菜を全種類制覇したい!」なんてわがままも、ここでなら夢ではない!?のだ。

メインディッシュもまた然り。ポーションを選べたり、おすすめの調理法を提案してもらったり。

オートクチュール感覚でディナーを組み立てる体験は新鮮だ。




一般的なテリーヌ型ではなく、素朴な印象のドーム型に仕立てた「パテ・アン・クルート」1,848円(100g)はシェフの自信作。

仔牛と豚肉をベースに、きのことピスタチオがアクセントに。




「サカエヤ 新保さんの手掛けたお肉」7,480円(200g)。

この日は、鹿児島で育った黒毛の経産牛のロースが。しっかりと熟成された肉を溶岩で焼き上げることで、旨みがぐっと凝縮された仕上がりに。



この道一筋20年超。

フランス料理をこよなく愛し、もっと楽しく味わってほしい!という安達さんの思いが漲る。




「フランス料理の魅力、お伝えします!」


■店舗概要
店名:caillou
住所:目黒区原町1-7-9 ドゥーエ西小山 1F
TEL:03-6452-2985
営業時間:17:00〜(L.O.22:00)
定休日:日曜、月曜
席数:テーブル14席、個室1(4席)※要予約



4.安永4年創業の酒蔵が、銀座の地で新・日本料理を切り拓く@銀座
『銀座八仙』



2023/1/9 OPEN



250年続く歴史を礎に、たった8席のカウンターから生まれる日本酒と和食の新たな邂逅たるや!一枚板のカウンターには、青森産のヒバを採用。壁面にあしらわれているのは伝統的な「八戸焼板」、椅子の座面には南部裂織生地を採用、と青森の魅力をさりげなく盛り込んでいる


酒造業を始めてから、今年で248年。江戸時代に創業した青森「八戸酒造」は、現在八代目の駒井庄三郎氏が暖簾を守っている。

青森県産の米と酵母にこだわり、仕込み水には八戸・蟹沢地区の名水を使用。味わいの良さと安全性を両立した酒造りが信条だ。そしてその味は、国内外の品評会でも高い評価を得ている。

そんな「八戸酒造」の銘酒の数々を存分に味わえる、グラマラスなカウンター割烹が、銀座8丁目にひっそりとオープンした。



八戸生まれの多彩なお酒を楽しんで


カウンターで見事な包丁さばきを見せるダイニング・ディレクターの杉本修一さんは、料亭やホテルの日本料理店の料理長を歴任後、長く自身の店を営んでいたキャリア豊富なベテラン。

しかしここでは、和食のフォーマットは踏まえつつも革新的な料理で、銘酒「陸奥八仙」シリーズとのマリアージュを的確に表現する。

GLAMOROUS co.,ltd.・森田恭通氏による内装デザインも見どころ。青森の伝統工芸を随所に配しながら、クールな空間を構成している。


老舗の銘酒と、イノベーティブな割烹料理とが呼応する


青森の郷土料理「いちご煮」を、杉本さんの感性でガストロノミックに進化させた「いちご煮リゾット」。




マグロの「手巻き寿司」は手前側が赤身、奥側は脂の乗った中トロになるように供する。




蟹の魅力を存分に味わえる「毛ガニのスープあんかけ」。




この日の「お造り」は五島のアオリイカと、ウニの醤油ジュレを添えたハタの昆布締め。つまがハーブやイタリア野菜なのも斬新。

料理は全ておまかせコース(23,000円)の一例。


全て「陸奥八仙」のペアリングはここだけ!


優しく味わいのある「純米大吟醸 華想い40」(写真右)と低温熟成させたふくよかな「Hassenblage」(写真左)。

代表的な2銘柄の飲み比べでスタート。




幅広い料理に合う、「ISARIBI特別純米」(写真右)は、お造りや手巻き寿司と。

毛ガニには「レイメイ40 Light」(写真左)を。




中盤に、白ワインを思わせる1本(写真右)が登場したりも。

そして、いちご煮リゾットには日本酒らしい「男山 超辛口純米」(写真左)を。

全て日本酒6種ペアリング(7,000円)の一例。


■店舗概要
店名:銀座八仙
住所:中央区銀座8-5-24 銀座BOSSビル B1F
TEL:03ー6821ー2096
営業時間:18:00〜(L.O.21:00)
定休日:日曜、祝日
席数:カウンター8席 ※要予約



5.マンションの201号室に潜むバーのような鮨店がある@五反田
『Sushi Bar 魚々 Cozy』



2023/2/14 OPEN



カウンターの上下にめぐらされたカラフルなネオン管の明かりや、コンクリート打ちっぱなしの壁の無機質なテイストが、既存の鮨店らしからぬクールな印象を醸し出す。ネオンな空間で深夜に鮨。そんな選択肢があってもいい


おまかせコースのみ、一斉スタートで2回転制といったスタイルがすっかり当たり前になった鮨の世界。

全てを店に委ねるのはある種の気安さがあるけれど、時には気の向くままに気軽に楽しみたい日だってあるはず。そんな夜の選択肢に加えたいのが、こちら。

“目黒のディープスポット”“最果てのユートピア”などの異名を持つ飲み屋街・目黒新ばし横丁にある『Sushi Bar Cozy』の姉妹店で、鮨への既成概念をあっさりと打ち破るコンセプトは痛快だ。




ご覧の通りのごく普通のマンション内に鮨店があるとは、知らなければまず気づかない。



エントランス奥にある、住民が使うエレベーターで2階に上がると、名札の入っていない201号室が。この写真を手がかりに


店があるのは、五反田の街並みに溶け込む古いマンションの1室。




「しめサバ」(250円)など、鮨タネの王道もしっかりとスタンバイ。




新機軸として打ち出しているのが、ショットで楽しむお酒のイメージで味わう「SUSHI SHOT」1,000円。

ウニやイクラ、だしのジュレ、揚げた酢飯などがレイヤーに。



ワンスプーンの「う肉寿司」500円


握りは1貫150円〜で、おつまみの価格も軒並み3桁!

店主の鈴木康史さんの「“たまの1軒”よりも、足繁く通ってもらえる店にしたい」という思いが具現化されている。


シャンパンも日本酒も充実!

“世界で唯一のナイト向け”と謳うロゼ・シャンパン「モエ・エ・シャンドンN.I.R.」(20,000円)は、ボトル自体が光る仕様!「くどき上手出羽燦々」1,200円(1合)など、希少な日本酒もそろえる


23時以降はぐっと照明を落とすクラブを思わせる空間や、このご時世に深夜4時までという営業時間も、なんとも頼もしい1軒だ。


■店舗概要
店名:Sushi Bar 魚々 Cozy
住所:品川区東五反田1-11-5 バルミー五反田 201
TEL:03-6277-2828
営業時間:18:00〜28:00
定休日:不定休
席数:カウンター9席、テーブル4席、スタンディング6名相当


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