5月16日、立憲民主党は、ジャニーズ事務所のジャニー喜多川前社長(2019年死去)による性加害を告発していた歌手のカウアン・オカモトさん(26)とダンサーで俳優の橋田康さん(37)を国会に招き、「ヒアリング」をおこなった。

 その席でオカモトさんは、「中学3年で事務所に入り、その1カ月後に自宅で性的被害を受けた。未成年で、絶対的に立場の上の人から何かを要求されたとき、拒むのは難しい」と体験を語った。

 橋田さんは「13歳ごろ(喜多川氏から)性的被害を受けた。2回ほどあった。僕にとっては大きなことだった。子供たちが被害にあわず、エンタメの世界をまっすぐ走れる環境をつくることが大人のやること。法律で形に残したい」と発言した。

「こうした被害告発を受けて、同事務所の藤島ジュリー景子社長が14日の夜、被害について謝罪する動画を公式サイトに掲載していますが、被害内容について詳細な言及はありませんでした」(週刊誌記者)

 このヒアリングについて、ニュースのコメント欄には批判的な声が多く並んでいる。

《一般の事件でも同様な事は起こっていたのに今回に限って食い付いたのは「ジャニーズ」の知名度を利用するつもりなのでは?》

《事務所が謝った瞬間にこんな風に尻馬にのったみたいに政治家が動き出して》

《立民さんは、ほんとズレてる。国会に呼ぶ必要性があるとは思えん。この件を政治利用しては駄目だ》

 これまで野党合同も含め、「森友・加計問題」「桜を見る会」「日本学術会議の会員任命問題」「旧統一教会問題」「安倍首相国葬」など政権に不祥事や問題があったとき、関係者や当事者を呼んでヒアリングをしてきた同党。

 今回の件が支持が得られなかったのは、「ヒアリング後の成果が、法律化なども含めて具体的に実感できないからだと思う」と政治担当記者が指摘する。

「ヒアリングの源流は、民主党政権時に事業仕分けと呼ばれた『行政刷新会議』にあります。公開でおこない、居並ぶ官僚たちを論破して世間が注目しました。蓮舫議員の『2位じゃダメなんですか』でも話題になりましたよね。

 このときもそうですが、政治家に反論できない官僚に対して語気を強めて詰問する光景が『まるで吊し上げ』『パワハラ』との批判があります。そのため国民には『単なる立憲民主党のパフォーマンス』と映っているのでしょう」(同)

 今回のヒアリングで、“結果” を出すことはできるのだろうか。