眠りをジャマされない。しかも、寝起きがスムーズ。そんな寝室づくりにこだわってみましょう。2年前にハウスメーカーで家づくりをした日刊住まいライターは、間取りと設備に工夫をこらして快適な寝室を実現しました。その一方で、採用したドアが落とし穴となり、想定外なストレスも。詳しく語ります。

見た目やさしいインテリアの寝室を2階に実現

1日7時間はしっかり寝たい! 寝るのが大好きな筆者。現在、夫、長男(8歳)、二男(6歳)の4人で暮らしています。

2年前ハウスメーカーで、2階建ての注文住宅を建てる際は、寝室づくりにこだわりました。ちなみに、わが家の間取りはこのようになっています。

1階:玄関、手洗い場、トイレ、LDK、楽器も演奏できる趣味室
2階:洗面所、浴室、トイレ、ランドリールーム、主寝室、ウォークインクローゼット、子ども部屋

 

2階の寝室に求めたのは、快眠できる環境。インテリアは、やさしい色合いのものを基調にすることに決めていきました。壁紙は鮮やかさを抑えた落ち着きのあるグリーンに。床やベッドフレームなどは、ウォールナットを選択しました。

筆者の夫の感想はというと「すごく落ち着く。心地いい」。寝る前、少し早めにきてストレッチをするのが夫婦の日課になりました。また、テレビは刺激となって入眠のジャマになるので、置いていません。

 

寝室の位置を、音がする場所から離す

ここからは、間取りや設備の面でこだわったことについてお伝えしましょう。

主寝室の位置は、2階の家の角にしました。ここに接するのは、階段ホールとウォークインクローゼット(図面の洋室C)。

夫婦の主寝室と、小学生の息子たちの子ども部屋とは、あえて離しています。早朝から起きるとなにかと騒がしい息子たち。大人の睡眠をジャマしないように、間取りの工夫で配慮したのです。

隣り合わせの壁がないだけで、かなり音が軽減されているのを実感。引っ越す前は一室で一緒に寝ていて、先に起きた子どもたちの声に悩まされていました。まだ寝ていたい大人にとっては、この距離感はありがたい!

 

主寝室は、浴室やトイレ、洗面所とも階段をはさんで反対側の位置にあるので、水を使う音も気になりません。ちなみに、写真の中央が寝室。写真左側にもドアがあり、その先が洗面、浴室へとつながります。

 

気持ちよく眠れるように、照明位置は足元に

設備でこだわったことのひとつが、照明位置です。ベッドの上に寝転んだ際、視界の中に照明器具があると、直接目に光が入ってまぶしいもの。

それに、ベッドの真上にペンダントタイプの照明器具があると、地震の際に、少し不安になります。

 

そこでわが家では、埋め込み式のダウンライトを3つ取りつけました。位置は、ベッドに寝転がった体勢で眺めた際に、足元となるように調整。部屋のかなり端とも言える場所です。

ねらいどおり、照明からの光は直接目に届かず、とても快適です。また、リラックスできるよう、照明の色温度にもこだわって暖色にしています。

部屋の端に照明があると、中央にあるより、部屋全体が少し暗いかもしれません。でも、そもそも睡眠に備え、眠る場所なのですから、問題なし。ちなみに日中は、大きな窓のおかげで、やはり明るさには不足を感じていません。

快適な目覚めのためにこだわった窓とカーテン

快適な目覚めのためには、日光を浴びるのがよいとされています。これを参考に、起きるのが苦手な筆者は、朝に自然と部屋が明るくなるように、窓を2つつけました。

ベッドに寝転んだ際に、ちょうど頭の上となる壁には、横長の窓があります。くもりガラスにして光だけを取り入れ、カーテンはなし。

ここは西側であること、位置が高いことから、朝の光は直接筆者の顔には当たりません。代わりに、部屋全体にやわらかい光を取り込む役目を果たしています。

この窓のおかげで、夜が明けるに従い、部屋全体がゆっくりと明るくなっていくことに。カーテンをあけずとも、朝の訪れが自然に感じられます。

 

もうひとつの窓は、南向きのベランダへ続く縦長のもの。こちらには、遮光カーテンをつけています。光が直接顔に当たるのを防ぎ、夜には道路から部屋が見えないように配慮。

もともとこの窓は、換気や通気のために、ハウスメーカー担当者から提案をされました。

じつは寝室には、窓と向かい合った位置に、ウォークインクローゼットがあります。この中にも、小窓があるので、両方あけると効率よく換気できる仕掛けに。

こちらの窓も、カーテンなしにしようと思いました。しかし、担当者が光の入り方や夜間の見え方などのことを教えてくれて、結果、カーテンをつけることに。

実際、朝はまぶし過ぎず、そのうえ、時間の経過を光とともに感じることができる寝室になりました。

 

小窓つきのスタイリッシュなドアが睡眠妨害?

わが家の寝室は、隣接するウォークインクローゼットと、ドアでつながっています。窓つきでなかなかスタイリッシュなこのドア、じつはこれが、睡眠妨害の原因となりました。

 

夫婦同時に寝入るときはいいのですが…。片方が先に寝ているときに、ウォークインクローゼットの明かりを点けてしまうと、寝室に明かりが漏れてしまうのです。

寝入りかけのときに、こうなると最悪。すごく不快に感じることがあります。そのため、夫婦でお互いに気を使うことに。これがストレスです。

ここは室内窓なしにしておけばよかった、と思っています。

そのほかはとっても満足いく寝室となりました。筆者の人生史上、いちばん快適に眠れている寝室です。自分に合わせてつくったので、正直なところ、ホテルよりも快適。入眠も寝起きもとてもスムーズです。