目黒の地元グルメがアツい!カジュアルだけどお洒落に楽しめる店4選
目黒駅周辺の“気軽さ”の奥へと進んでいくと、高感度な大人が集う人気店が点在する。
駅前の店は、外からの人が多く訪れる目黒。だが、その喧騒から少し距離を置いたエリアには、本質を見極める地元民たちが通う場所が。
華美ではないが実に上質……目黒の大人を体現した良店4選を紹介したい。
1.イタリアン惣菜をつまみに気ままに飲む。そんな欧州スタイルも目黒では日常
『Laugh 目黒店』
いつでも手づくりのイタリアン惣菜や、こだわりのスイーツを楽しめる場所があったなら。
店は大鳥神社から山手通りを大崎方面に5分ほど進んだ場所に。
目黒から大崎方面へと向かう山手通り沿いには、地元客を中心に賑わう店がぽつぽつとある。
周囲には単身でも住みやすいマンションが多く、若い世代も通いやすいカジュアルな店が人気を集めているが、2年前にオープンした『Laugh 目黒店』は近所にあったら毎日でも通いたくなる店の理想形。
ネオンサイン越しに広がる景色にセンスの良さが溢れている
カウンター席には目黒に住む女子たちが並んで話に華を咲かせ、テーブル席ではときにファミリー客の姿も。
どんなシーンでも受け止めてくれる、温かさを感じられる。
ガラス窓から店内の様子が分かるため「入りやすい」と、ひとり客も多い。
昼夜問わず惣菜を求めて通う常連客の姿も。
テイクアウトデリは住民たちの強い味方!
店先でまず目を引くのが、気の利いた惣菜や彩り豊かな弁当、スイーツまでずらりと並ぶショーケースだ。
お洒落な惣菜や弁当、スイーツが並べられたショーケースが目を引き、思わず立ち止まる通行人も多い。
シェフの堀切和成さんは、ケータリングやイタリアンで働いた経験を生かし「地域のお客さんに喜ばれる店に」と、店内で提供する料理と同様にテイクアウトにも力を注ぐ。
仕込みの量や時間は倍以上かかったとしても、多くの人に美味しい料理を届けたいという思いがモチベーション。
朝8時から仕込みをするという惣菜で人気なのは、オムライスやキッシュ。デザートも含めると25種前後が並ぶ。
ホームパーティの手土産にも喜ばれそうなキッシュプレートは1,280円。
シュークリームは1個420円。
飽きの来ない優しい味わいが通えば通うほどしっくりくる
「生ハムムース 竹炭のトスカーナパン」880円。
店内で提供される人気メニュー。生ハムとマスカルポーネを合わせたムースがたっぷり。
「黒ゴマのニョッキ マンゴーゴルゴンゾーラ」(1,380円)は意外な組み合わせが楽しい
誰もが笑顔になれるイタリアン酒場としてオープンした当初は、半数以上が地元客ばかりだったという。だが最近は、SNSの投稿をきっかけに目黒以外から訪れる客の姿も。
真っ黒い竹炭パンに生ハムムースをのせた名物や、季節の食材を盛り込んだパスタを味わいながらワインを飲み、帰りに惣菜を買う。
食の楽しさを身近に感じられるからこそ、大人たちは何度もここに足を運ぶのだ。
テイクアウトも店内も気分次第で!
店内で供する料理もテイクアウトの惣菜も手がけるシェフの堀切さん。
「毎日通える“使い勝手”の良い店を目指しています」
■店舗概要
店名:Laugh 目黒店
住所:目黒区下目黒3-4-3 クライムアミィ 1F
TEL:03-6303-0801
営業時間:ランチ 11:30〜(L.O.14:00)
ディナー 17:30〜(L.O.21:30)
お惣菜 11:30〜21:00 ※無くなり次第終了
定休日:不定休
席数:カウンター8席、テーブル10席
2.目黒の大人はひっそりとワイン片手に焼肉を楽しむ
『焼肉きゅうこん』
夜になれば人けもまばらになる住宅街に、ワイン好きの心を満たす焼肉店がある。
肉はしっかり本物志向でありながら雰囲気はラフ。目黒の大人たちは、旨い焼肉をふらりと楽しんでいる!
権之助坂を下りきって、一本道をそれた坂の行き止まり。「こんな場所で焼肉?」という意外性にも心惹かれる
大手の芸能事務所があり、業界人の生息率が高い目黒は、昔から焼肉店との親和性が高い。
地元の人も足繁く通う老舗が多い一方で、最近オープンした注目店が『焼肉きゅうこん』だ。
目黒駅から歩くこと約5分。マンションの地階という穴場的ロケーションながら、近所に住む人で連日賑わう。
ワンマイルな服装で泡と肉。この街の「ご近所焼肉」は次元が違う
マンションの地下に下りるとガラス張りの洒脱な空間が。落ち着いたダウンライト照明やBGMも大人好み
客の服装は皆カジュアル。
本当に近隣に住んでいるのが分かるが、片手には“泡”があり、ボトルはどんどんあく……そんな“目黒スタイル”が、この店でもスタンダード。
まずはその日のオススメ肉とシャンパンで乾杯が目黒流!
人気の理由のひとつは、その肉質の良さ。
熊本県・菊池市で牧場を営む“肉師”こと、山瀬健策さんによる目利きは絶大な信頼感がある。
「トモサンカク」1,980円。しっとりとした肉質を楽しむために、焼き過ぎないのがポイント。
ほど良いサシの甘みを楽しんだ後、すっきりとした泡酒で流せば最高だ。
「本日の塊肉」2,600円(200g)。
日によって最上の部位が提供されるが、この日はイチボ。塊肉はキッチンでベストな状態に焼き上げてくれる。
噛み締めるたびにコクのある旨みが口中にあふれ、ワインがすすむ。
併設するワインショップから持ち込んでボトルで楽しみたい
さらに入口には、都内でも珍しくワインショップを併設。店内で抜栓することも可能だ。
ヨーロッパからニューワールドまでさまざまな銘柄を幅広くそろえ、プラス1,000円で持ち込むことができるのがうれしい。
飲みきれなかったら自宅で、というのも気負わずワインを楽しむ“目黒らしさ”。
ワインの購入のみも可能で、ホームパーティ前に立ち寄る住民も
焼肉の穴場店で、その居心地のよさを体感したい。
旨みが凝縮した塊肉がイチオシです!
「肉師が厳選したとっておきの和牛や国産豚を、毎日でも(笑)楽しんでいただけたら」と料理長の飯沼隆宏さん。
部位に合わせた的確なカットにも定評あり。
■店舗概要
店名:焼肉きゅうこん
住所:目黒区目黒1-5-4 テルレ B1F
TEL:03-6910-4781
営業時間:17:00〜(L.O.22:00)
定休日:無休
席数:カウンター12席、テーブル24席
3.邸宅が並ぶ小路の先に秘密の日本酒バルがある
『和酒バル KIRAZ』
目黒に住む大人は、何ヶ月も前から予約を取る店だけでなく、普段の夜を彩る店を知っている。
センスある行きつけを持つことは、実に贅沢だ。
目黒駅から恵比寿方面へ歩くこと約8分。電灯もまばらになった静かな住宅街に小さな店が明かりを灯す。
目立った看板はないが、味わいのある茶色の壁と格子のついたドアが目印だ。
美食に慣れた大人たちを空間とペアリングの妙で満たす
英国のアンティークの扉を開けると、スペインのタイルが貼られた洒落た空間が広がる。
元はギャラリーだった建物だというが、一昨年に改装した店内は、艶やかさが増して密やかなムードが漂う。
『和酒バル KIRAZ』という名だからバルだが、友人宅に招かれたような空気感も漂う。
それは店主・馬宮加奈さんの陽気で自然体なキャラクターのおかげだろう。ひとり客も過ごしやすい雰囲気だ。
以前はIT企業で働いていたという馬宮さんは、もともとスペインが好きで旅をしては独学で料理を学び、2010年にこの店を開いた。
実は徳島の「三芳菊酒造」の娘という唎酒師でもあり、日本酒のペアリングでセンスを発揮する。
新感覚の日本酒ペアリングが大人たちの新たな扉を開く
野菜で作るピストソースとホタテを合わせた、「新玉ねぎのムース」は実に華やか。
こちらの前菜にに合わせるのは、例えば、ワイン酵母仕込みの「陸奥八仙 V1116」。
酸味がビネガー的要素として新玉ねぎの甘さを際立てる。
肉厚な赤ピーマンの料理「ピキージョ」に気品ある酸が際立つ「花巴 水もと×水もと」が合う。
ペアリングにワインを入れることも可。
コース約6皿 8,800円、ペアリング込みは13,000円だ。
◆
最初から最後まで、店主自身が本物の食いしん坊だと想像させるペアリングが続くので、目黒民は安心して身を任せる。
ここでしか手に入らないオリーブオイルを自宅でも
素材を生かす理想のオリーブオイルを追い求め、スペイン南部ムルシアで出合ったものを自ら輸入。
店用として仕入れるが、客が購入することも可能で、地元民の食卓レベルを上げている。
日本酒が身近になるお店ですよ!
馬宮さんの程よい距離感の接客は、店の心地良さを生み出す理由のひとつ。
ゲストを通すのは基本的にカウンター席のみ。会話して好みのお酒を探る。
■店舗概要
店名:和酒バル KIRAZ
住所:目黒区三田2-9-5
TEL:03-3712-7277
営業時間:【火〜金】18:00〜(L.O.23:00)
【土】17:00〜(L.O.23:00)
定休日:日曜、月曜
席数:カウンター7席、テーブル4席
4.ジビエの奥深い世界もシェフとの距離が近いからぐっと身近に感じる
『レストラン ユニック』
フランス料理といえば、行きつく先はやはりジビエ。
真の肉好きたちがわざわざ通うビストロとして名高い『レストラン ユニック』で、目黒の大人はジビエに親しむ。
かねてからビストロ人気は根強いが、その“定義”の正解を知りたいときは迷わず『レストラン ユニック』を訪れたい。
大鳥神社から目黒通りを都立大方面に歩くこと約8分。目黒駅からタクシーに乗る場合は「元競馬場前方面へ」と言うと伝わりやすい。
ガラス張りの中2階の店へと向かう。
美食に慣れた目黒住民の行きつけはこだわりの強い骨太フレンチ
オープンキッチンの前に3席のカウンターがあるが、テーブル席がメイン。
シンプルで飾らない空間は、ゆっくりと料理やワインに集中する大人たちで連日賑わう。
入り口から奥に長い店内は、インテリアもシンプル。
品のいい老夫婦やワインを飲みながら料理が出来上がるのを待つ4人組など、大人な客層も好印象。
◆
フランスのビストロや星付きレストランで腕を磨き、帰国後は当時、東京で最も勢いがあった目黒のビストロへ。
独立する際、同じエリアに自身の店を構えた中井雅明さんは、オープン当初から東京であつかう料理人はめずらしかった経産牛や皮つきの豚肉などを使い、愛とセンスがあふれる肉料理で食いしん坊たちの心を掴んだ。
ジビエの新世界を体感できる数々の料理に圧倒される
「月の輪熊のパイ包み」11,000円。常連客には“くまパイ”の愛称で親しまれる名物料理。
コニャックやポルト酒で香りづけしたツキノワグマのパテと鳩の胸肉の力強い風味、フォアグラのコクが一体となり、香りと味わいが口中に広がる。
ワインリストもあるが、オススメはシェフに尋ねるのが一番。
ナチュールワインからグラン・ヴァンまで幅広くそろう。
「鶏手羽のブーダンノワール」2,750円。
腸詰めではなく手羽に詰めた意欲作。パリッとした皮がたまらない。
シンプルな容姿が大人心をくすぐる!
「ミルフィーユ」1,100円。シェフの中井さんはデザートもお手のもの。
サクサクしたパイ生地と上品なマロンクリームで「食欲をそそるスイーツ」を体感。
◆
骨太で豪快。そう表現されることも多いが、いつも心にあるのは、フランス料理を気負わず、楽しく食べてもらいたいという思いだ。
「月の輪熊のパイ包み」をはじめ、クラシカルなジビエ料理にも定評があるが、古典という言葉がイメージさせる重厚感を軽やかに払拭する才能も、界隈に暮らす人だけでなくフランス料理好きを夢中にさせている理由。
狩猟こそしないが、ズバ抜けた“安定感”のある料理で多くの人の心を打ち抜いている。
シェフとの距離が近いから通えば通うほど心地良い
ワインのセレクト、サービスもシェフがひとりで行う“アットホームレストラン”。
オープンキッチンで調理をしていたかと思えば、ワインの好みを聞いてグラスを運ぶ。コミュニケーションが多いのもリピーターが多い理由だ。
◆
本物の美食を構えず、気取らず。
日常の延長線上にあるこの店の価値はますます高まるばかりだ。
直球の美味しさをお届けします!
「某TV誌に載るのも夢だったから、レモン持っちゃお」と中井さん。
センスが光る料理はもちろんこのお茶目さにもファンは多い。
■店舗概要
店名:レストラン ユニック
住所:目黒区目黒3-12-3 松田ビル 1F
TEL:03-6451-0570
営業時間:【火〜土】18:00〜(L.O.22:30)
【日】18:00〜(L.O.21:30)
定休日:月曜
席数:カウンター3席、テーブル18席
◆
駅近の賑やかな雰囲気から一変し、閑静な住宅街に名店が潜むのも目黒の魅力。
目黒住民が普段使いしている店にこそ、このエリアの魅力が詰まっているのだ。
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※コロナ禍の状況につき、来店の際には店舗へお問い合わせください。