巨人・原監督(編集部撮影)

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プロ野球巨人の秋広優人内野手(20)が2023年4月22日に神宮球場で行われたヤクルト戦に「7番・レフト」で先発出場し、プロ入り初安打と初打点を記録した。翌23日のヤクルト戦でも先発出場を果たし、3打数2安打2打点の活躍を見せレギュラー取りをアピールした。

「手足の長さをうまく使いこなしている」

開幕から丸佳浩外野手(34)、坂本勇人内野手(34)が打率1割台と調子が上がらず、チームは25日時点でリーグ5位に低迷。ベテラン勢が精彩を欠く中、2試合連続で結果を残したプロ3年目の秋広はレギュラーとして定着するのか。巨人で戦略コーチを務めた橋上秀樹氏(57)に分析してもらった。

秋広が1軍の打席に立ったのはルーキーイヤーの21年の1度だけ。22年は1度も1軍に昇格することなく2軍の試合に出場し続けた。22日のヤクルト戦では1点ビハインドの2回2死1塁の場面で右中間にタイムリーツーベースを放ち、プロ初安打と初打点を記録した。

橋上氏は身長2メートルの秋広のバッティングを身長193センチの大谷翔平投手(エンゼルス、28)と重ね合わせ解説した。

「秋広選手のバッティングを見ると、大谷選手に近い体の使い方をしている。2メートルと長身ですが、手足の長さをうまく使いこなしている。手足が長いとどうしても操作性が損なわれるが、バッティングに柔らかさと器用さを感じる。ボールに対するコンタクト力やミート力があり、長い手足が邪魔になっていない。高卒3年目ですが、昨年から段階を追ってスイングが速くなっている」

「今は世代交代の絶好の時期」

今シーズンは2軍で13試合に出場し打率.341、1本塁打、8打点を記録し、出塁率と長打率を足したOPSは.890だった。4月16日に出場登録選手を抹消された梶谷隆幸外野手(34)に代わって18日に1軍に昇格。外野のレギュラー争いに参戦した。

橋上氏は「外野は今、完全なレギュラーという選手がおらず、丸選手もそろそろ世代交代の時期に差し掛かっている。外野の3つのポジションは空いている。原監督が相手投手の右、左に関係なしに秋広選手を起用するという覚悟を持っているか。現時点では丸選手をはじめ中堅、ベテランに重きを置いている感じがある」と解説し、次のように持論を展開した。

「巨人にとって今は世代交代の絶好の時期だと思います。開幕当初のメンバーを見ると平均年齢が高いのは明らかで、どこかのタイミングで若い力を入れたいということを首脳陣は思っているはずなので今が良いタイミング。ここ何年間、世代交代が叫ばれていますが、秋広選手が世代交代の大きな象徴になるかもしれない。恐らく首脳陣もそういうものを担ってほしいとの願いを込めて背番号55を継承させたと思います」

開幕から低迷が続く中、原辰徳監督(64)は世代交代に着手するのか。今後の起用法に注目が集まる。