画像はイメージ

写真拡大

プロ野球の阪神が2023年4月16日、DeNAと対戦し1−2で敗れ、横浜スタジアム10連敗となった。22年6月28日の黒星からシーズンをまたいでの大型連敗。阪神はなぜ横浜スタジアムで勝てないのか。J-CASTニュース編集部は、巨人、ヤクルトなどでコーチを歴任し阪神でプレー経験を持つ橋上秀樹氏(57)に分析してもらった。

「阪神がほぼ逆転負けしている」

両チームの昨シーズンの対戦成績はDeNAが16勝9敗で勝ち越している。ホームの横浜スタジアムでは11勝2敗と圧倒し、阪神のホームである甲子園、京セラドームでは5勝7敗と負け越している。

橋上氏は「横浜スタジアムでの試合を見てみると、阪神がほぼ逆転負けしている。これがいくつか考えらえる連敗の原因だと思います」との見解を示した。

10連敗の中で阪神が先制して逆転されたのが6試合で完封負けが2試合だった。22年6月30日の試合では、初回に4点を先制されるも8回に逆転。しかし9回に逆転を許し5−6のサヨナラ負けを喫した。

橋上氏は「昨シーズン阪神のチーム防御率はリーグトップで投手力が高く、ブルペン勝負になっても負けない投手力があった。それが横浜スタジアムだとことごとくやられている。ストロングポイントのブルペン陣が逆転負けを喫してしまった。得意とする形での敗戦は尾を引くと思います」と分析し、次のように語った。

「1回や2回ならまだしも同じチームに何度も逆転負けすると『やられた』というイメージが結構残るもの。それがマイナス要素となり、阪神は『またやられるのではないか』という思い。DeNAにしてみれば『またなんとか逆転できるのではないか』という思いがあり、両者の心理的な面が色濃く出ている結果だと思います」

阪神がホームとする甲子園球場と横浜スタジアムの相違に触れ、投手や野手に及ぼす影響に言及した。

「1度接戦で勝ち切るしかない」

「阪神は甲子園球場という広い球場をホームに持っている。横浜スタジアムは甲子園よりも狭いのでピッチャーはホームランに対する不安からより慎重になりフォアボールが多くなるとか、カウントを悪くするということが考えられる。打者は大きな球場から狭い球場になるので楽になるだろうと思われがちだが、狭い分だけホームランが打てそうな感じがして力むということもある。欲が出てしまって本来の打撃よりも悪くなるケースもある」

阪神が次回DeNAと横浜スタジアムで対戦するのはセ・パ交流戦明けの6月23日で、3連戦を予定している。橋上氏は連敗ストップするためには「1度接戦で勝ち切るしかない」とし、次のように語った。

「先制して逃げ切るだとか、逆に阪神が逆転して勝つ。そういった試合で勝ち切らないとなかなか嫌なものを払拭するのは難しいと思います。『またやられるのではないか』という状況で勝ち切り、メンタル的に『もう大丈夫だ』という風に持っていくしかないと思います」

18年ぶりの優勝を目指す阪神は開幕から好調を維持し4月18日時点でDeNAと同率でトップに立っている。19日は佐賀で巨人と対戦し、21日から敵地マツダスタジアムで広島との3連戦を控える。

橋上氏は「優勝するには横浜スタジアムでの相性をなんとかしなければならない。苦手を作っていると優勝はなかなか難しい。最低五分くらいで戦わなければならないと思います」と解説した。