定例会見に臨む国民民主党の玉木雄一郎代表(写真は国民民主党の配信動画から)

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衆院補選の応援演説で和歌山市を訪れていた岸田文雄首相に向かって爆発物が投げ込まれた事件をめぐり、国民民主党の玉木雄一郎代表は2023年4月18日の定例会見で、威力業務妨害の容疑で逮捕、送検された木村隆二容疑者(24)について、「一切の同情はいらないと思う」などと述べた。木村容疑者のような行為を少しでも容認すると「テロが広がり民主主義が根底から覆る」事例があった、とも指摘した。

要人警護については「改めて見直しが必要」とする一方で、街頭演説で有権者に直接訴えていくスタイルは継続していきたい考え。ただ、「ある種の緊張感と恐怖感は、これまで以上に感じるようにはなった」とも。「非常に葛藤を抱えながら、今日もマイクを持つことになると思う」と話した。

「容認したり許容したりすることの隙間から、テロが広がり民主主義が根底から覆る」

玉木氏は木村容疑者について「一切の同情はいらないと思う」とした上で、その理由を次のように説明した。

「人の命を奪うこと、テロ行為に類するような暴力行為は断じて許すわけにはいかないというメッセージを社会全体が一致して出さないと、その小さな容認したり許容したりすることの隙間から、テロが広がり民主主義が根底から覆る、ということが、過去の歴史から見てもある」

和歌山の事案は「総理の足元で爆発していたとしたら総理の命にも関わるような問題だった」とも指摘。

「(安倍晋三元首相の銃撃事件で)見直しされた後の警備の体制で果たして十分なのかということについては、G7(首脳会議)も近づいてきているので、改めて見直しが必要だと思う」

と話した。

「ある種の緊張感と恐怖感、これまで以上に感じるように」

ただ、「今回のことに屈することなく、おびえることなく堂々と街頭演説などは続けていきたい」。街頭演説で有権者と対話することで政策が作られる面もあるためだ。

「そういうことがなくなるというのは、わが党にとっても非常に痛手だし、『ともに作り上げる民主主義』という観点からすると、そういったことができなくなる、あるいは萎縮してしまうということは非常に大きなマイナス」

一方で、「緊張感と恐怖感」が増しているのも事実で、葛藤を抱えながら街頭演説に臨んでいる。

「自分も曲がりなりにも政党の代表で、何が起こるか分からないという、ある種の緊張感と恐怖感は、これまで以上に感じるようにはなった。会場に入る時に、周辺をよく見渡してから入るような癖がついた。何かあるとは思わないが、何があってもおかしくない時代なので、そういう意味では緊張感を持ってやっている。その意味では、我々の握るマイクは命がけだし、一方でそのマイクを握って訴えないと、市井の国民の皆さんの真の思いや声をくみ取ることができないということもあるので、非常に葛藤を抱えながら、今日もマイクを持つことになると思う」

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)