HKT48の豊永阿紀さん。初のアートブック「to 4 seasons」(イマジカインフォス)を出版した

写真拡大

HKT48の豊永阿紀さん(23)が初のアートブック「to 4 seasons」(イマジカインフォス)を出版し、2023年4月13日に東京・渋谷の書店でイベントを開いた。豊永さんはフィルムカメラを駆使して活動の様子をSNSに投稿しており、一時はファッション誌「S Cawaii!」(同)のウェブサイトで連載を持つほどの腕前だ。

メンバーとして内部からグループの様子を発信できるのは、豊永さんにとって「特権」だ。イベントに先立って報道陣の取材に応じた豊永さんは、「メンバーの私にしか見えない魅力をたくさん世間の皆さんに発信していきたい」と意気込んだ。

「ニコンF3」に50ミリの単焦点レンズをつけて撮る

豊永さんは高校生の時にレンズ付きフィルム「写ルンです」を持って学校に通い、フィルムカメラの世界にのめり込んだ。今ではフィルム一眼レフカメラの名機として知られる「ニコンF3」を父親から借り、主に50ミリの単焦点レンズをつけて愛用している。ズームレンズは使わない主義だ。

書籍では、松岡はなさん(23)らメンバー9人をプロデュースして撮り下ろし、22年10月から23年3月にかけて行われた連載の内容も収録した。父親との対談ではカメラ談義も披露している。

豊永さんは22年9月、「チームH」キャプテンに就任。連載はキャプテンとしての活動を記録したとも言える。連載開始と同じ22年10月、3つあったチームが23年2月に2チームに再編成されることが発表されている。豊永さんは同じチームのキャプテンを続投しているが、再編成が迫る中で「いとおしい」という感情でメンバーを見る機会が増え、「そういう目線が写真を通しても伝わるような連載になっているのでは」。「どんどん温かみが増している気がする」とも話した。

劇場公演で泣き出したメンバーもウサギに囲まれた撮影では...

カメラはメンバーとのコミュニケーションのツールとしても活用されている。豊永さんがステージや舞台裏にカメラを持ち込んで撮影したカットも多く、それをメンバーが「当たり前のように受け入れてくれているのがすごく面白い」。運上弘菜さん(24)は豊永さんからカメラを借りて撮ることもあるという。メンバーが「構えていない」様子や、普段はツーショットを見かけないメンバー同士が2人で収まっていることも魅力だ。

9人のうち「予想よりもすごく魅力的に感じた被写体とメンバー」を聞かれて挙げたのが6期生の生野莉奈さん(12)。生野さんは2月初旬の劇場公演で緊張のあまり泣き出してしまい、メンバーやファンを心配させるハプニングもあった。だが、その2週間ほど前に行われた撮影では、のこのしまアイランドパーク(福岡市西区)でブランコに乗ったり、ウサギに囲まれたりして満面の笑顔を見せた。豊永さんは「一緒に遊ぶ形で撮ったおかげで、自然な笑顔が引き出せたのでは」とみている。

書籍での豊永さんの肩書きは「アイドル兼フォトグラファー」。「そんなふうに言っていただけることなんて想像もしていなかったので、まだまだその名前にはちょっと程遠いというか及ばないな、という実感がある」とする一方で、この肩書きは「今の私にしかできないんじゃないかなと思って、ちょっと恥ずかしいながらもすごく嬉しい」とも話した。

「メンバーの私にしか見えない魅力を、たくさん世間の皆さんに発信していきたい」

豊永さんが考える「今の私にしかできない」ことのひとつが、今回のような機会を通じてメンバーの魅力を発信していくことだ。いわく、「メンバーであるうちに、メンバーの私にしか見えない魅力を、たくさん世間の皆さんに発信していきたい」。グループの内側から写真を撮ったり文章を書いたりすることで、外から「見られない姿」を届けられることが「自分の特権」だ。自分がグループを好きな気持ちが「もっと広いところに伝わっていくのでは」と意気込んでいる。

次回作に向けた構想も披露した。豊永さんは、ペアによるパフォーマンスを好む、いわゆる「コンビ厨」「シンメ厨」を自認。栗原紗英さん(26)と荒巻美咲さん(22)が森の中でたたずむツーショットを、今回の書籍のお気に入りとして挙げた。そこで、次回作では「全メンバーを2人組で撮ったらどうなるんだろう?みたいな考えがずっとあったので、そういうコンセプトが一つ乗っかっても面白い」。「今、密かに推している」メンバーとして6期生の北川陽彩(ひいろ)さん(19)と森崎冴彩(さあや)さん(18)を挙げていた。「すごく長身で、ステージの輝き方がすごく面白い2人」だそうだ。

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)