【特別対談】C大阪アカデミー改革の今。風間八宏と丸山良明が推し進める指導者養成プロジェクトとは?
――ただ、セレッソもここまでくるのに紆余曲折も。
丸山 そうですね。でも関わってきたスタッフ、選手が様々なことを感じ取りながら進んできてくれたので、その姿にも励まされました。実際に僕も風間さんと初めて一緒に仕事をさせてもらい、その考えを数パーセントも分からない状態から関わらせていただきました。今でこそ言いますが、お会いする前には、様々な書籍やDVDを見て、実践させていただいていました。
風間 だから、今回の募集でセレッソの中が今、どんな感じなのかを見てもらいたいという気持ちもあるよね。相応しいか分からないけど、風間塾は、サッカーのディズニーランドのようなもの。いや大阪だからUSJのほうが良いか(笑)。すべてのカテゴリーを見られるし、指導者同士の活発な交流を図れる。さらに全員がハッキリした言葉で明確な意図を話し合えるので、そこに6か月から7か月などの期間、入ってもらえれば、ものすごい経験ができるはず。
その活動を通じて参加者には自分の資質を考えてもらいたい。そして気持ちがあれば僕らに協力してもらいたい。ぜひ仲間に入ってもらいたいなと。常に変化していて、すごく楽しい場所だからこそ、そろそろ周囲に向けてオープンにしましょう、という考えがあったわけです。
――それは一般の方としても非常に貴重な体験をできますね。
風間 ユースのトレーニングにも参加でき、スペトレにも出られて、ジュニアユース、ジュニア、スクールなども見られる。もちろん試合も僕やマルと一緒にチェックできる。グラウンドのなかでどんなものが武器になって戦えるのか、そこが身に付けられるはずだよね。
丸山 極上のフルコースを準備できると思っています。スクール、ジュニア、ジュニアユース、ユース、そしてトップチームにつながっていく。さらにレディースもU−15、U−18、そして新シーズンからはWEリーグにも参加する(セレッソ大阪堺レディース)。男女ともフルコースで技術を突き詰める極上の時間を提供できると自信を持っています。
風間 参加者はそんなに増やせないので、限定にはなってしまいますが、本当に力を付けたい人はぜひ来てもらいたい。すべてを一緒に見られる環境ってなかなかないからね。
――今回のプロジェクトを通じてセレッソに有能な人材が集まってくれる可能性もありそうです。
風間 そう、セレッソのためでもあり、風間塾を経験して元の場所に戻る人とつながることもできる。セレッソに来たいという人がいれば、両者の想いが合致するかもしれない。どういう形でも先につながるということだよね。
丸山 改めて何かを真似しようとか、なぞってやろうということではなく、本当にオリジナルな取り組みです。そして選手に技術をしっかり教えるうえでの指導者としての目線、スキルをしっかり学ぶことができる。
その分、先ほど風間さんが話したように本当は多くの人に関わってほしいのですが、そこには私たちの覚悟、プライド、価値の部分もありますので、限られた人数に、その後のサッカー人生で武器になるものを伝えられればと思っています。