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 UEFAは2022年5月28日にフランスの首都パリにある、スタッド・ド・フランスにて開催されたチャンピオンズリーグ決勝にて、開始時刻の21時までに入場することができなかった、ゲートA、B、C、X、Y、Zのチケットを保有する全てのファンに対して、払い戻しを行うことを発表した。

 本物の入場チケットを持ちながらも、改札読み取り機の不具合によって入場が拒否されるなど、大きな混乱が生じたためUEFA側は当初、偽造チケットをもったリヴァプールファンによって騒動が引き起こされたと発表していた。

 だが先日の独立調査委員会の報告によって、むしろ主催者であるUEFA側の問題が指摘。UEFAのテオドリディス事務局長は「私たちは公私にわたる多くの意見を考慮して、包括的で公正な方法を見出すことができたと考えている」とコメント。特にリバプールのサポーター組織「スピリット・オブ・シャンクリー」と「リバプール障害者サポーター協会」との「オープンかつ透明性のある対話」が実現したことに感謝の意向も示している。

 その2つのサポータークラブも、共同声明という形で「我々はUEFAによる本日の発表を歓迎する」と歓迎。なおチケットの金額は50ポンドから580ポンドまでで、全額返金にあたってUEFA側は340万ユーロほどを負担。決勝戦にてリヴァプールに割り当てられていた1万9618枚のチケットは、UEFAではなく当時クラブが販売しており、そのため今回はまず全額をリヴァプールに振り込んで、それをクラブが個々のサポーターに払い戻すとのこと。これにより手続きが簡素化され、また個人情報の保護にもつながることも期待される。

レアル側はUEFAの提案を受け入れず

 その一方でこの2日後にレアル・マドリードは「今回の提案はまだ不十分なものだと考えている」と発表。この試合ではそもそもチケットやバッグ、携帯電話や財布などの盗難被害が相次いだ上に、「身体的被害にも遭うファンまでいた」と指摘しており、今回は「返金のみとされており、スタジアムへのアクセス時間の証明など、多くの要件を満たすこととも関連している」ことなどもあげた上で、「運営責任のあるUEFA側のお粗末な対応」を批判。そのため今回の保証は受け入れず、更なる改善を要求した。

 つまりはこれまで協議してきたUEFAの答えは「制限的」な保証にとどまっており、そのため「全責任を負うよう求める」とのこと。これに対してテオリディス事務局長は、「我々は多くの意見を考慮して、(弁済のための)包括的かつ公正なシステムを構築できたと自負している」と強調している。なおレアル側は今回影響を受けたレアルサポーターからの、問い合わせに協力する用意があり、そのためのサービスが設置されることになるという。

UEFA announces special refund scheme for fans following the 2022 Champions League Final in Paris.

We will refund fans who had bought tickets and were the most affected by the difficulties in accessing the stadium.

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- UEFA (@UEFA) March 7, 2023